ユネスコ:国連科学文化教育機関に認定を受けた「太極拳 TAIJI QUAN」ですが、イメージでは「レクリエーション運動」や「競技太極拳」「日本国内で作られた技能検定太極拳」になると思います。
実際は「太極拳文化」という概念が正しく、日本で認定を受けた「宮大工職人などの匠の技(2020年12月)」「伝統日本酒づくり職人の技能」においてでも、その広い文化性を含んでいます。
「太極拳文化」では、「太極拳文化」では、長き歴史ある「自然科学:易経」「思想哲学:老子、荘子」古典医学を合わせた「人体科学:黄帝内経」が根幹になっています。
「世界無形遺産としての太極拳文化」にある ”老子の思想”で代表的なものを6編、抜粋して紹介します。
つまりは、太極拳の技を練り、精神的な境地は、このようなものが良い、ということです。
老子 上編 道経
第1章
道可道 非常道 名可名 非常名 無名
「道が語りうるものであれば、それは不変の道ではない」「名が名づけうるものであれば、それは不変の名ではない」
第10章
戴営魄抱一 能無離乎 専気至柔 能嬰児乎」
「おちつきをなくした魄を迷わぬように維持して、統一をしっかり抱ち離れぬようにできるか、それから離れないようにできるか、呼吸を凝集し、それを柔らかにして、嬰児のようにすることができるか」
第25章
「人法地 地法天 天法道 道法自然」
「人は地を規範とし、地は天を規範とし、天は道を規範とし、道は自然を規範とする」
第37章
「通常無為 而無為」
「道は何もしない、だが それによってなされないことはない」
下編 徳経
第42章
道生一、一生二、二生三、三生万物
「道は一を生み出す、生み出された一から、二が生まれ、二から三が生まれ、三から万物が生まれる」
第78章
天下莫柔弱於水 而莫堅強者 莫之能勝 以其無以易之 弱之勝強 柔之勝堅
「天下において水ほど柔らかくしなやかなものはない、しかし それは弱くみえるものが強きに勝ち、堅く手強いものを攻めると、それにも勝てるものはない」
このようにして、荘子の思想と共に、「自然」の境地こそが、太極拳思想にあります。