中国伝統民族体育の ”太極拳” がまだ世界で騒がしいコロナ期間の2020年12月に「UNESCO:ユネスコ:国連科学文化教育機関」に認定を受けました。
私自身、人生生涯を費やしてきた者として、非常に感慨深いものと受け止めました。
私は6歳から剣道を学び、13歳から太極拳、中国武術の道へ入りました。現在56歳なので43年間ずっと日々の修養を続けて来ました。私は中国武術全般を修練していますが、やはり”太極拳”が一番、一拳種として人生を送っていく中で、素晴らしいです。
今や太極拳は世界中の無形文化遺産となりました。その日本人専門家としてはとても嬉しいです。
「UNESCO:ユネスコ:国連科学文化教育機関」が重要視しているものは「科学」と「文化」です。
太極拳で重視する「科学」は、「自然科学」と「人体科学」です。
自然科学では「易経の陰陽論」人体科学では、「五行説」合わせて「陰陽五行説」になります。
「文化」では、思想哲学「老子」「荘子」です。
思想として「老子は道法自然」「荘子は無為自然」を説きました。2500年の歴史を有します。
「体育運動文化(究極の健康法)」
「呼吸運動:肺の呼吸力強化」「全身運動:心臓の機能安定」「意識運動:脳における思考活動の活性化」
中国で太極拳は「伝統民族体育文化」と称されています。
技能的には「吐故納新:吐納」「導引:導気令和 引体令柔」の各術になります。
内容的にはイコールにはなりませんが、近いものとして、
「吐故納新:吐納」は究極の呼吸法の実践。
「導引:導気令和 引体令柔」は、豊富なバリエーションのある動状態・静態から、様々なかたち・動作を通じて行う動的ストレッチ運動。
武芸 太極拳の技能
ここまで来て太極拳文化では「健身」「修身」「防身」を総合的に大成させます。
「健身:日々健康元気な身体づくり活動」
「修身:精神修養 伝統思想哲学を学び実践に活かす」
「防身:武術的攻防技術を行うことで実際:リアルタイムの中での研鑽を行う」
これらが、正確に世界中で広まれば広まるほど、国際連合:国連の目指す世界平和への一歩となり、今や世界大国に戻った中国の文化を学び合い、交流し合い、国境を越えて「太極拳」で それぞれの国の中で、様々な国の方々との平和的な人的交流が盛んになり、世界中で「健康長寿」が広がることが願いです。
世界無形文化遺産 太極拳の体得は「千里の道は一歩から」
道を間違えてはいけません、あきらめてはいけません。
私の指導経験で「太極拳を体得したい!」
そういった方々が、これまでに多くいらっしゃいました。
はじめは意気揚々ですが、リクエストにお応えして指導をしているうちに、よくあることは、
「やろうと思った」
そして、その前に「今自分の○○が痛くてできない」
「何や、かんやと忙しくて」
「先生の話が難しくてわからない」
「動作が」覚えられない」
以上のような文言が、その人から発せられるものは「科学的視点」から見ると「消極的」「受動的」です。
そのような心身になってしまっていることを自身で「気づけない」それを「未病」と呼びます。
そこへ、太極拳的精神では、少しずつでも小さくとも無理なく「積極的」「能動的」で考えます。
賢人は”病”を治すのではなく、”未病を治す”
という、伝統中国養生の格言があります。
賢い人は、厄介になってしまった 自分の”病”を治すのではなく、”病”を発する以前に意識して方法実践して、未だならぬ”未病を治す”といいます。
予防医学的な思考としては完全だと実感します。
思うに、はじめの”未病”は「身体を動かさない」「身体が動きにくい」「身体が動かない”病”」の3段階で進行します。
伝統中国の養生の考え方では、「野生動物は病気にかからない」
理由としては「身が軽い、身が柔らかい、自由」
病を患らってしまう人間は「身が重い、身が固い、不自由」
古典医学というのは、シンプルでわかりやすいです。
モノのない時代、モノに溢れ複雑さが大きくなってしまった現代社会では「分かりやすいもの」も分かりにくくなりました。
思うところ、ある水準まで究めるため迄の伝統的な体得的な出口は1つですが、入り口は無数にあります。
この時は太極拳での「太極:陰陽論 易経」に立ち返り、心身感覚全てを立て直すことが良いです。
どうぞ「世界無形文化遺産 太極拳」に関心を持ち、上記に著述したものから、日々に紐解いて、各々ご自身で独学でも学べるところから始めて下さるといいと思います。
皆様の、ご健康の発展をお祈り致します。
先ずは身体をほぐしましょう。