伝統中国養生法と現代スポーツ体育との区別
伝統中国古典文化である養生運動、そこから生まれた導引術、五禽戯、太極拳の功法は今や世間一般に広まっているスポーツ体育項目とは、原則的に一線を画します。一部の武術拳種や太極拳項目では「競技部門」を設け、現代スポーツ体育の一面を有しますが、その存在理由としては、発展や繁栄を目指すための一つの動機づけ・モチベーションを上げていくために特に若者や、長く行って来たベテランとの切磋琢磨の機会として行っていることです。
伝統的養生運動と現代スポーツ体育項目との差異の特徴は、
先ず、現代スポーツ体育項目は1,競技会活動重視、2,各々の人体機能向上の極限までの挑戦、強度の高い筋力増加、3,現代医科学の視点から見る、運動力学の研究、解剖学、怪我をした際の治療方法や、復帰方法のリハビリテーションやトレーニング理論の重要性が高まる、3,パワーアップの為の訓練重視、4,全身を駆使したテクニック技法の研究。
伝統的養生運動では、
1,中国古典思想哲学に基づき、「天人合一思想」重視、”過ぎたるは及ばざるが如し”にみられる超過活動は奨励しない。3,深奥で長く歴史ある伝統中国古典思想の哲学や医学からの基礎を重視。4,内外兼修:人体の内部、外面の合わせた修練方法を四季折々の中で繊細なまでに実践を行う。4,形式方法は多くあり、多彩に行える。
内外兼修での考え方と実践方法には「陰陽五行」「周易八卦学説」があり、実践方法の基礎になるものは「臓象学説」「経絡学説」「性命学説」「精、気、神:三宝学説」「気血津液学説」「天人相応学説」などがあります。