老子、荘子、曹操、華佗の郷里である三国志での沛(はい)国の譙(しょう)県、安徽省亳州市について

亳州市は、中国安徽省の西北に位置し、約3,700年の歴史を持っています。道教の祖といわれる「老子(ろうし)」「荘子(そうし)」、三国志・魏の英雄「曹操(そうそう)」、神医「華佗(かだ)」の生まれた故郷として知られるほか、薬草の栽培が盛んで「薬の都」として名高く、毎年9月に中国最大の薬材市が開催され、全世界から買い手が集まってきます。

亳州市の元々の地名は「高宅」でした。その意味は「高い場所にある邸宅」です。亳州が周辺の土地より高い位置にあるからです。古代の支配者は、「高」と「宅」の漢字を組み合わせた亳という漢字を作りだして、高宅を「亳州」に変えたと言われています。
亳州市では、5千年前に原始人類がその地で活動したことが発見されており、中華文化の発祥地のひとつだと言われています。

1996年発見された亳州市蒙城県の"尉遅寺(いちじ)遺跡"からは焼いた粘土で造られた家屋や、墓地、各種器などが見つかっており、歴史学界では、中国最古の村落であると言われています。

3700年前、商(殷)の時代、湯王(成湯)が夏王朝を滅ぼし、この地を都としたのを始め、三国時代には魏の副都であり、元朝の末期には、小明王(韓林児)が亳州を都に定めて国号を大宋としました。このことから、亳州は三朝(王朝)の古都と言われています。

また、長い歴史の中で、亳州は多くの偉人を輩出しています。春秋時代の思想家であり、道教の第一人者で「道徳経」を残したとされる老子(ろうし)、戦国時代の思想家で道教の始祖の一人とされる荘子(そうし)、三国時代の名将魏の始祖である曹操(そうそう)、後漢の名医で外科の元祖とも言われ、五禽戯(ごきんぎ)という健康体操を作り出したことでも有名な華陀(かだ)をはじめ、百人以上もの歴史上の有名人物がこの地で生まれています。