今週は、今年度上半期のイベントの多くが終わり、ようやく一段落しています。

 

まだ日本国内では、第7波とかで慌ただしくなっていますが、このコロナ問題で、このブログに多くの情報発信をして来ました。

 

私の、この2年と4ヶ月間での心身への信頼や安心感が全く揺らがなかった「具体的根拠」になっていた、運動習慣と実践、効能と効果での「伝統中国の医科学的データ・サイエンス」でもある「伝統 華佗五禽戯 理論」を紹介致します。

 

 

 

 

漢方2

 

新聞

 

 

五禽戯の成立と歴史背景
 
五禽戯 ごきんぎ は1800年間の長い歴史を持つ、中国発祥の体力増強法で虎・鹿・熊・猿・鳥の動作から編み出された動気功です

史実に出てくるのは由緒ある歴史書「正史三国志」 作者は「陳寿 233~297」

の中の魏書に記されている「方技伝 第二十九 華佗伝」です。

 

 

 


華佗(かだ)、字は元化、沛国 譙県(現在の安徽省亳州市)の人である~中略~

養性の術に通暁しており、当時の人々は彼の年がもう百歳にもなるはずだとしたが、見たところは若々しかった~略~

華侘は語った。

「人の身体というものは働かせることが必要だ。ただ極度に疲労をさせてはならない」

「身体を動かせば穀物の気が消化され、血脈はスムーズに流れて、病気も生じようがない」

「ちょうど 戸の枢:くるる が(いつも回転しているので)朽ちることがないようなものだ」

(※ これは良く開く扉の軸である枢は虫が食わない、流れる水は腐らない とあり、ドアの軸は回転する場所で

それを身体全身の背骨や関節に例え、水は血流やリンパの流れに例えています) 
さればこそ古の仙人たちは導引と呼ばれることを行い、熊のように木にぶらさがり、鴟(トビ)のように首をめぐらせ、

腰や身体を伸ばし、それぞれの関節を動かして、身体の老化を防ごうとしたのだ。

五禽戯の紹介

私にも一つ長生法があり、それを五禽之戯(五つの動物の運動)と名づけている。

第一が虎、第二が鹿、第三が熊、第四が猿、第五が鳥である (それぞれが動物のかっこうをして躍ねまわるのだ)

この運動によって病気が予防できるだけでなく、足腰も鍛えることができて、導引の用に当てることができる。

身体に調子の悪い所がある時には、起き上がってどれでもよい、一つの動物の戯を行えば、びっしょりと汗をかき身体は軽々とし、腹も減って食欲がわく。

学んだ弟子の呉晋はこの術を実行し、

年は九十あまりにもなったが、目や耳はすこしも遠くはなく、歯は一本も抜けることがなかった。とあります。

 

(参考文献 「正史 三国志4」 筑摩書房発刊より~)


こうして歴史的に見ると、

古来 紀元前 前漢の時代に存在していた 所謂「気功運動」は 馬王堆導引図に描かれた 導引術 が全ての源流・ルーツです。

かつては「吐納」「導引」と呼ばれ、それから後漢末の2世紀頃に導引を基にして 華侘 が五禽戯を創始しました。

ですから 五禽戯は、その後に多く生まれた中国健身術の「套路運動」「象形套路」の元祖になりました。


「気功」は「静気功」と「動気功」とに分類されるようになり、「静気功」は医療面に発展し、「動気功」は武術運動になっていきました。

その他、有名な気功でも、嵩山少林寺に伝わって 少林武術の基になった 易筋経は8世紀 八段錦は10世紀頃の成立で、

日本でも有名な 太極拳は一番古いものでも16世紀頃であり、五禽戯成立の立場からみると太極拳も動気功の1種と考えています

 老子・荘子・華佗・曹操の出身地とされる 中国安徽省”養生薬都”とも 呼ばれる「亳州市」を2007年と2009年に2度、2017年、2019年に合わせて5回訪れ、その技法と理論を学びました。

2007年に伝統五禽戯を「取経:習得」した 初めての「日本友人」として 現地では大きく話題になり、新聞・テレビの取材を多く受けました。

五禽戯は中国の2世紀 後漢末の「神医」とよばれた 華侘 によって創作されました。

古代から中国の民間に伝わっていた導引という健康体操から五種類の禽獣・動物の所作からヒントを得て、華侘始祖は

中医学の哲理をふまえた陰陽五行思想(木・火・土・金・水)を盛り込み、

身体の「腎・肝・脾・心・肺」の五臓六腑を意識的に活性化できるように創られた優れた体育運動です。


~亳州伝統華佗五禽戯 かだ ごきんぎ とは~


 中国安徽省亳州市に伝わる 伝統気功 華佗五禽戯の練習方法には 原地 活歩 十三式(重要な基本の套路:型)があり、

虎戯 十四式 鹿戯 十式 熊戯 十式 猿戯 十一式 鳥戯 十四式 とあり、全て繋げて行う套路を 五十四式といいます。

華侘五禽戯は 虎 鹿 熊 猿 鳥の五つの部分に分けられ 技ごとに、弱りやすい肉体的な部分

それぞれの応じて機能を高め 感覚を健やかにする作用を備えています。


虎戯:

「骨を練る:骨」につながる組織を鍛錬することで骨髄の流れを活性化できます。


虎の技を練る時は「猛々しさ」と「虎視眈々」とした眼力をも重視します。

五行では水に属し 腎臓の働きの活性化に関連して作用します。

関連する 季節は冬

下半身の臓器や排泄器官や生殖器官は冷えに弱く 方法として これらに関係する臓器(心臓)の活性化を施していくのが目的です。


鹿戯:

鹿の技は「筋を練る:筋繊維の流通経路の活性化」に意識をおいた鍛錬を大事にします。

五行では 木に属し 肝臓に関係します。

関連する季節は春

鹿は敏捷性がよくすばしこい動きのできる筋肉をもつ生き物であり、鹿の動きを模倣した動作は尾閭がよく作用します。

 
熊戯:

熊の技は「肌肉を練る」肌肉全体の高度を高め 脾胃を丈夫にします。

五行では 土に属し 脾臓に関係します。

関連する季節は土用(季節ごとの分かれ目)

穏やかでも力強い能力を持つ熊の動きの真似をする技を鍛錬すると、

疲れやすい体が落ち着いて正常に戻り 内在する気力が増大させられます。

 

猿戯:

猿の技は 「脳筋を練る」

 

猿の特徴である機智的に素早く動ける反射を司る 脳感覚を鍛えます。

五行では 火に属し 関連する臓器は心臓であり、脳筋(ニューロン、シナプス)と「心のはたらき 快適である=喜」と連動します。

関連する季節は夏

練功によって習練された脳(心)は不愉快な心地を鎮め 楽しくなる情緒を高められます。

 

鳥戯:

鳥の技は「皮毛を練る」

 

皮毛(毛穴・皮膚呼吸)を鍛えます。

五行説の金に属し 関係する臓器は肺です。

関連する季節は秋

鳥の中で一番長寿なのは鶴であります。翼を広げ 空中を旋回する様子を 動きに多く取り入れたのが鳥戯です。

鳥戯を修練すれば、肺の機能が改善され 全身においてでは、発汗能力を高め 熱を下げることができ

また胸(胸郭)を広げ 呼気と吸気の流れを整えることが出来るのです。

鶴は 鍛錬されたような皮膚の如く羽毛を持ち、手足は軽くすばしこく 高く飛び上がる能力に優れています。

鳴き競うことを好み 高いところにおいてでも平衡感覚に秀でていて、

心地よい「和み」の身体感覚を 本能的に理解できている動物です。

 

1800年の歴史ある、中国伝統の心身強化方法である「五禽戯」は 現代人が忘れかけた本能的な野性動物的な感覚を自発的に甦らせ

大自然が育む 四季の折々の中において 本当に素晴らしい、生命力の息吹きへの気付きと その尊さを実感させてくれるのです。

私たちは、この世界中で広がったコロナ問題でも、心身活動の整理、整頓により、心強い安定感を得られました。

この実体験による経験を活かして素晴らしい効能、効果のある五禽戯運動を通して より多くの方々へ広め 「元気」と「勇気」のある人を増やし、

現代社会に蔓延しやすい情報を受けて、ストレスを感じる「空気」や「雰囲気」に負けないように 人々の身体力・精神力づくりに役立てて、

この日本の21世紀の未来を 明るく素晴らしい時代にしていきたいと考えています。


観て見れば、これからの日本では「少子高齢化社会」の中で みんなが一緒に、より元気に過ごしていられることが とても大事であり

小さな子供から、青少年・壮年、年配の方の どなたでも一緒に楽しめて 「体に良い=本当に健康効果(防衛体力の向上)の高い」

体育運動を 地道にも実践しながら、長く続けられるスタイルのものを求められる時代が、必ずやってきます。

日本は歴史的に中国の文化を学び、長く継承しながら 数千年間かけて、今日まで発展させてもきました。

この五禽戯を日本でもより活かして 中国との相互発展のための文化交流になり、その貢献も後々の歴史の一部分になれたらと感じています。