1800年の歴史 華佗五禽戯

 

伝統気功 華侘五禽戯13式 鳥戯

 

 

 

五、鳥戯 ニャオシー
 
1式 飛鶴展翅  フェイフージャンジー 
真っ直ぐに立ち、視線は左斜め方向に向きを変え、左足を左斜め前に出し、両足はやや広めに開き、左足に重心を移す、視線をやや斜め下に落としながらやや前傾させ両手の手型は鳥の羽の形を意識した鳥翅をつくり、両方の胸の前まで持ち上げて肺を閉じる動作を行う。この時に肺にある空気は全部吐き出すようにして肋骨の前方中心にある胸骨体が緩み、肺全体が小さくなるようにして深く息を吐く:呼気。
両目の視線はやや遠く上方を見渡しながら両腕を左右横に大きく開き息を深く吸う:吸気。体重は左前足から、右後ろに移行し、左右前方の胸郭を大きく開く、両胸左右わき腹附近まで広げる深く長く息を吸う、できれば鼻で吸って鼻で吐くを行う鼻吸鼻呼で行うと、鼻は肺の窓とも呼ばれ、すべての呼吸器疾患の最初は鼻づまりから起こるものを防ぎ、未病を治すことが鳥戯の運動では行える。そして、再び視線をやや斜め下に落としながら両手の手型は鳥の羽の形を意識した鳥翅をつくり、肺を閉じる動作を行う、この時に肺にある空気は全部吐き出すようにして肋骨の前方中心にある胸骨体が緩み、肺全体が小さくなるようにして深く息を吐く:呼気。
この一連の動作を3回行い、次は右側方向で3回行う。
 
2式 群鶴淨身 チュンフーチェンシェン  
左足を左斜め前に出し、両足は先ほど前の動作と同じくやや広めに開き、左足に重心を移す、視線をやや斜め下に落としながらやや前傾させ両手の手型は鳥の羽の形を意識した鳥翅をつくり、最初は左手を左斜め上方持ち上げる、次に右手を右斜め上方へ追いかけるように動かし持ち上げていく。この時に左右後方にある肺にある空気は左右の動作で全部呼気で吐き出すようにして行う。
両目の視線はやや遠く上方を見渡しながら両腕を左右上方に伸びた後から大きく息を深く吸う:吸気に変わり、体重は左前足から、右後ろに移行し、左右の肘を曲げ後方へ引くように行う。そうなると肩甲骨が動かされ左右後方の胸郭を小さく縮める、この時も、できれば鼻で吸って鼻で吐くを行う鼻吸鼻呼で行う。この一連の動作を3回行い、次は右側方向で3回行う。
 
3式 白鶴飛翔 バイフーフェイシャオ
重心は右足に移し、やや膝を屈めて、左足つま先は右足の土踏まずの横に置き:虚歩になる。両腕は左右自然体で降ろし、両手の手型は鳥翅になり、リラックスして深く息を吐きながら、左右両横の脇腹にある肋間筋を緩めて小さく縮めていく感覚になる。そして両腕は鶴が羽を大きく羽ばたかせるように手首の位置が両耳ほどの位置まで持ち上げる。この時に右足が支え足の片足し立ち:独立歩で左足は膝を曲げて大腿部の付け根からしっかりと持ち上げる:提膝。それから、また最初の歩型でやや膝を屈めて、左足つま先は右足の土踏まずの横に置き:虚歩になる。両腕は左右自然体で降ろし、両手の手型は鳥翅になり、リラックスして深く息を吐きながら、左右両横の脇腹にある肋間筋を緩めて小さく縮めていく感覚になる。そして再び両腕は鶴が羽を大きく羽ばたかせるように手首の位置が両耳ほどの位置まで持ち上げる。この一連の動作を3回行い、次は体重が左足に移した虚歩になり、同じく左右が入れ替わって繰り返し3回行う。3回めは大きく上まで高く持ち上げてから、ゆっくりと両腕を降ろす。
 
引気帰原 インチーグゥイユエン
動作を行った後は、立ち上がりながら両掌は腰に置き、左右同時に両側から持ち上げて、深く長く息を大きく吸い、左右前後左右の肋間筋を伸ばす、身体の前方向に持って来てから、左右の掌を下向きにしながら胸の位置から下方向へ降ろしながら左右前後の肋間筋を小さく縮めながら深く長く息を大きく吐く:呼気。

この時に肺呼吸は一番大きく行えるようになり、心地よく快適な呼吸感覚を掴む。ここの感覚での実践と実感の事実を理解して、世間一般に広まり易い呼吸器疾患の病気への心配や不安は払拭されて、そしてその気持ち良い呼吸感覚を常日頃の呼吸での基準にして、安心の拠り所になり、ここでいう自信:ご自身への身体への信頼がしっかりする(意守:意識を守る)
 
収勢 ショウシー
 
搓手 スォショウ
両手掌を合掌して左右擦り合わせて摩擦熱を起こし、両掌を温めて手の指先までの血液循環を高める。
 
浴面 ユーミェン
温めた掌を顔面に当てて表情筋を顔を洗うような感覚で皮膚の上からのマッサージをする、できれば鼻の付け根にある迎香のツボも刺激し、鼻づまりが起こりにくくする。

次に虎爪を用いて、指先に力をやや入れてから、こめかみから耳上を通し、側頭部をマッサージして刺激する。こうして片頭痛なども予防ができる。
 
捶腰 チュイヤオ
両手は空間を開けた拳で、腰椎と胸椎の繋ぎめにある命門のツボを叩き、腎臓への直接刺激を行う。
 
撃腹 ジーブー
両手は虎爪を用いて先端の指先にやや力を入れて叩き、下丹田の気海のツボへ直接刺激を行い、小腸を刺激してほぐす。
 
接上勢 ジエシャンシー
呼吸は自然呼吸に戻し、両手を下丹田:気海に当てる(男性は陽なので左手が下、右手が上。女性は陰なので右手が下、左手が上で行う)
 

効能:五禽戯の最期の鳥戯は意識を伴った有酸素運動で肺機能を増大させることが出来る。意識を置く肺の肋間筋は1式 飛鶴展翅  フェイフージャンジー では左右前方の胸郭を広げる。 2式 群鶴淨身 チュンフーチェンシェン では、左右後方の胸郭を広げる。  3式 白鶴飛翔 バイフーフェイシャオ では、左右横の脇腹にある胸郭を広げながら行うことで、前後横左右の肺呼吸を大きく動かすための呼吸機能強化が図られる。よって呼吸機能疾患の予防で、風邪・感冒、気管支炎、肺炎の予防に大きな効果が得られて生体防御機構はとても強くなり、免疫力が高められる。