伝統気功 華侘五禽戯13式 猿戯
 

 

 

 

四、猿戯 ユェンシー
 
1式 白猿歓跳 バイユェンホワンティアオ 
自然体で落ち着いた感覚から、左足を少し横へ体重移動をしながら機敏な動きで左手は指先5本でひとまとめに摘まむ手型の鈎手にしながら遠くへ伸ばし掴む所作の動作を行う、素早く指先、手首、肘、肩をすくめながら全身関節を使っての屈伸運動を行う、歩型は左足の片足立ち:独立歩にしながら、右足大腿部を持ち上げる:提膝になる(提肛:尾てい骨と腰椎を斜めに引き上げる)呼吸法は素早く動き始めで早く息を吸い、落ち着いた時にゆっくり深く吐く:呼気漫・吸気快。次は左右を入れ替えて顔の向きも反対で行う、合計左から初めて、右左と3回行う。3回目が終わったら、身軽につま先立ちで右足から右方向に6歩で1周回る。
 
2式 白猿転身 
1周回って来たら立ち止まり、大きく首を動かし、両目を90度向けて左、右と見回してから、左手は指先5本でひとまとめに摘まむ手型の鈎手にしながら左横に遠くへ伸ばし掴む所作の動作を行う、体重は右方向に移動して左足は右足前をまたぎ越して:蓋歩を行いながら右手は指先5本でひとまとめに摘まむ手型の鈎手にしながら左横に伸ばし掴む所作の動作を行う、足の歩型は馬歩になり、視線を左右に揺らす。
 
 3式 調息式 ディアオシーシー
動作を行った後は、足を肩幅ほどに戻して立ち上がりながら両手のs猿戯、鈎手は腰に置き、左右同時に円を描き、身体の前方向に持って来てから、左右は両手掌を下向きにしながら胸の位置から下方向へ降ろしながら息を深く吐く:呼気。
 
効能:猿戯は機敏に両手足に反応して指先の細かいところまでの屈伸運動を行い動くことで、反射神経を高めることが出来る、脚部ではつま先立ちで小刻みに小走りに行うことで、両足首、両膝の筋持久力が強くなり、脚力は増強される。
 
猿戯での意識運動では、身軽さを表し、上方向に重心全体は引き上げられる。そうすることで体の筋肉全体はやや収縮させて緊張感を持たせる。こうした意識動作で緊張感をコントロールすることで、脳筋:ニューロンの反射と反応は高められる、そうすると猿という生き物は臆病でありながらも素早く機敏に動き、時に大胆な行動も起こすことが出来る特徴がある。経脈は心臓に繋がる心包経が鍛えられ、全身運動を機敏に行うと、血行促進を図ることが出来て、心臓の動きも安定し、脳の感覚も早くなり、循環器疾患は脳と心臓に起こり易い病気の予防に結び付く。