①二十四節気 ②活性化させる経絡と、その動作 ③温度 ④道家気功秘訣 ⑤七十二候 ⑥社会現象
春(3か月)
立春(泰) 手少陽三焦経 双手托天 欠陰初気
0~6 3~12℃ 明鏡高懸 守定黄庭
1候 東風凍を解く はるかぜ こおりをとく(初)
2候 うぐいす鳴く うぐいす なく
3候 魚氷を上る うお こおりをいずる
立春を迎え、そこが春節。本当の新春のスタートです。
この時期からは、天地が動き出し通じ始め、陰陽の気脈が通じ、地上の万物が活動を始めます。
つまりは「天の気」が動く時候。
季語の意味は一文字に託し、この時期からは安泰の意味で「泰:たい」といいます。
新春から、より一層気力を高めていくためにも※1、導引術や気功の運動をおすすめ致します。
そうすると「春:肝臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
「小往き 大来たる」といい、小人には力がなく、大きな力を持ち蓄えた者が、活躍できる可能性を感じられる時候です。
万物を浄化する厳寒の気に天地が晒され邪気を持つ小人:愚か者は去り、
大自然のはたらきと共に正しき王道を歩める大人:賢者たちがその後の気運に乗り 運気を動かしていきます。
地上のすべてが新春の気に包まれ、新しい年を迎え、その年の「運を開き、幸運を引き寄せる」
そういった縁起を良くしていくために「開運招福」と呼ばれる道理です。
※1伝統中国文化の体育運動では、日本では「太極拳」が有名ですが、より大きな効能や効果を得るには、
歴史の長い順では、前漢には存在していた、2200年の歴史「馬王堆導引術」
後漢の時代、三国志の英雄 曹操の専属医師を務め”神医”と称された1800年の歴史ある伝統気功「五禽戯」
1000年前の宋の時代に成立し、明代に中国全土に広まっていた「八段錦」
雨水
2~11 4~15℃ 念起生象 幻尽出真
4候 土脉潤い起こる どみゃく うるおいおこる(初)
5候 霞始めてたなびく かすみはじめてたなびく
6候 草木萌え動る そうもく めばえいずる
季節は、本格的な春に移行し始めています。
今までに「臨」は君臨の意味を持ち、「泰」は安泰の地気の力を得ることができます。
これからの時候は 大いに壮んになる、という意味での「大壮」といいます。
人間界において大切なのは「公明正大」の意識。
「公け」に「明らか」で「正しく」「大いなる目的・目標」を定め、壮んな心意気よくコツコツと地道な努力を行っていけば
、6ヶ月後の秋には確実な成果が得られます。
啓蟄(壮) 手陽明大腸経 燕飛勢(内旋)
2~11 4~15℃ 念訣返聴 心音和名
7候 すごもりの虫戸を開く すごもりむし とをひらく(初)
8候 桃始めてさく もも はじめてさく
9候 菜虫蝶となる なむし ちょうとなる
太陰暦二十四節気では啓蟄を過ぎ、春分が近づくと三寒四温の時候になり
「陽の気」がだんだんと大きくなっていきます。
空気には湿度が多くなり、もう感冒(風邪やインフルエンザ)は治まります。
柳の木には小さな芽が生まれ出てきてわかるようにもう2週間もすると、植物の葉が大きくなっていき、
空気の質はその新緑を受けて新しくなります。
呼吸法においては質が変わり、呼吸法ではその新しい「精」を含んだ「清々しい空気」を取り入れるように行い、
陽射しを受けて新たな活力の向上を目指します。
功法では「動功」には、冬に培った力が大きく発揮できるようになります。
そして冬の間に得た「静功」を生かし、動の中でも冷静な判断力が大事になってきます。
導引術や気功の運動では「土用:脾臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
春分
5~15℃ 訣動滅妄 体泰心霊
10候 雀始めて巣くう すずめ はじめてすくう(初)
11候 桜始めて開く さくら はじめてひらく
12候 雷乃ち声を発す かみなりすなわち こえをはっす
春爛漫を迎え花々が開き、若葉が濃くなり始め、初夏へと移行し始めています。
天地万物の活動が起こり、陰気が弱まり 太陽は輝き陽剛の気となって、生活のリズムは早寝早起きが身体によく、
空気の様子は湿度はさほど高くなく、ほどほどに高温になり、冬の寒気が遠ざかり快適に感じられます。
この時候での導引術や気功の運動では「春:肝臓」の意識運動を行う季節も真ん中を迎え、更に
「土用:脾臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
清明(夬)手太陽小腸経 仰身勢 少陰二気
7~18℃ 返照身心 有象無形
13候 玄鳥至る つばめ いたる(初)
14候 鴻雁かえる こうがん かえる
15候 虹始めてあらわる にじ はじめてあらわる
この時期には基準となるべき良好な体調の体得することが賢明な功です。
肝の気を益々高め、腎の気を補い、食物は「旬のもの」が最も栄養になり、脾の気も安定し、
心の気が向上し、肺の機能も良好になります。
大の力は益々強くなり発揮され、小の力は弱まっていきます。
ゆえに「夬」は「決」に通じ、「決行」には良い時候です。
大自然の「天の気」「地の気」は力強くなり、「人」は元気の「気」を高めていきましょう。
穀雨
10~20℃ 訣竅通知 陰陽周行
16候 葭始めて生ず あし はじめてしょうず(初)
17候 霜止で苗出ずる しもやんで なえいずる
18候 牡丹はなさく ぼたん はなさく
陽の気は日に日に強くなり、ここからは大いなる陽気が力強さを感じられて来ます。
生活のリズムは早寝早起きが身体によく、瞑想によって穏やかな心持ちを保持し、清らかな空気を肺いっぱいに入れ、
晴れの日には肺機能強化を行い、梅雨時期になると温度差が大きくなりますので、呼吸器官の弱い方々にはその対策にもなります。
旬の食物は「精」に満ちており、よく取り入れることが大事です。
「天の気」と地の気に満たされるので、「人」はその「気」を大いに取り入れて、導引術や気功運動で身体感覚を一層高めていきましょう。
これを採気法といいます。
夏(3か月)
立夏(乾)手欠陰心包経 燕飛勢(外旋)
13~23℃ 有無生化 無象有形
19候 蛙始めて鳴く かわず はじめてなく(初)
20候 みみず出ずる みみず いずる
21候 竹の子生ず たけのこ しょうず
立夏を迎え 初夏の訪れを感じる時候となり、純粋な陽気に包まれ、大らかな力の沸き起こる感覚を地上万物の全てが授かる時期、
これを「乾」といいます。
元亨利貞、すなわち「仁」「礼」「義」「智」が叶い、1頭の竜が躍動するように、天の健やかな原動力を得て行く先々に、
望みが大いに通り、順風満帆に進めます。
植物も動物も力強い活動を始め 天地も交わり、日はだんだんと長くなり、1ヶ月半後の夏至でピークを迎えます。
導引術や気功の運動では「:臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
小満
16~25℃ 訣滅昏沈 神清気盈
22候 蚕起きて桑を食む かいこおきて くわをはむ(初)
23候 紅花栄う べにばな さかう
24候 麦秋至る むぎのとき いたる
季節は快適な感覚を感じられ、更に健全さを高めるために腎気を補い、呼吸機能に自信がない方は、
この時期からを活用して、しっかりと肺の機能強化を行えると秋までに大きな効果が上がります。
世間は慌しくなりやすく、息も浅く短くなる方々も多くなるので、穏やかに、気功を行って 心身を清々しい状態を常に保ちましょう。
芒種(媾) 手少陰心経 摸魚勢 少陽三気
17~27℃ 心定虚空 無我無人
25候 蟷螂生ず かまきり しょうず(初)
26候 腐れたる草蛍となる くされたるくさ ほたるとなる
27候 梅のみ黄ばむ うめのみ きばむ
一陰五陽が近付いて来る時候です、注意が必要で 邂は邂逅に関連します。
順風で来た流れにも少し慎重にならなければいけません、確定したもので堅実なものが大事です。
導引術や気功の運動では「土用:脾臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
夏至
17~27℃ 慧心初明 照見群神
28候 乃東枯る なつかれくさ かるる(初)
29候 菖蒲はなさく あやめ はなさく
30候 半夏生ず はんげ しょうず
太陰暦五月節 夏至を迎え 一年間で一番昼間が長くなる時期になりました。
これからは陽剛の気になり、火が水に克つ時候にもなります。
一陰五陽とは陽剛の気になり、火の気が強くなり水の気が衰弱していく日もだんだんと多くなります。
陽の気は更に力強くなり、三ヵ月後の秋分まで最低気温、最高気温はこれ以降は上がることはあっても、
下がっていくことはなくなります。
この時候での導引術や気功の運動では「夏:心臓」の意識運動を行う季節も真ん中を迎え、更に
「土用:脾臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
小暑 (遁) 通天貫地 初見真身
20~27℃
31候 温風至る あつかぜ いたる(初)
32候 蓮始めて開く はす はじめてひらく
33候 鷹乃ちわざをならう たかすなわち わざをならう
一年間で最高・最低気温共に一番高くなる時期です。
ゆえに本来の意味での水無月みなづき=みずなしづきの感が出てきます。
「遁:とん」とは「隠遁」の意味での「遁」であり、「暑気から遁れる」ことが大切な感覚です。
これからの2ヶ月ほどは体力の消耗をしやすく、激しいスポーツ競技などは脱水症状なども起こしやすく注意が必要になります。
理想では、ゆっくりと穏やかに過ごし動功の強度は下げ、静功に重点を置くことが望ましいです。
この時期からは、猛暑が訪れて来るので、睡眠の時間の量と質を落とさないようにしましょう。
大暑
24~29℃ 五行済済 天地合人
34候 桐始めて花を結ぶ きりはじめて はなをむすぶ(初)
35候 土潤いてむし暑し つちうるおいて むしあつし
36候 大雨時々に降る だいう ときどきにふる
これからの時期の暑気は大きくストレスを感じやすく、胃腸の働きが弱まらないように
脾の気の流れをよく活性化できるもの(五禽戯では熊戯)がよく、高温度による体温上昇に注意して、
所謂「のぼせ」を防ぎ、大脳への血流が速くなって不安定にならないようにして心臓に負担がかからないようにすることが大事です。
そのために包括的な吐納法:意識呼吸法(鼻~口)を用いて息切れを起こさないためには肺機能を意識して、心肺機能を安定させ、
脳に必要な良質な酸素を取り入れ、古くなった空気を多く出すようにするようにしましょう。
空気が劣悪な環境を避け、長時間直射日光を同じ体勢で受けないようにしましょう。
(草むしりなどはいっぺんに行わず、少しずつゆっくりやるように計画しましょう)
自然の緑が濃くて、起伏のある土地の北西側にいるようにすると、
心地良い風が流れてきますので、むしろそういった環境を活用しましょう。
まだまだこれから一ヶ月後が酷暑となって一番大変になりますので、
このうちにしっかり睡眠を取っておくようにしたいものです。
これからは夜中にも目が醒めやすく目を閉じた腹式呼吸法を行うと、
また睡眠のリズムへと戻れるようになります。
年間で最も強い猛暑、酷暑の陽の気から、心身をしっかり守るためには
「陰の気:陰のある場所 涼しさ 落ち着き 冷静さ」が大事になって来ます。
秋(3か月)
立秋(否) 足少陰胆経 転頭功 単盤 太陰四気
25~32℃ 訣動天地 斬法魔精
37候 涼風至る すずかぜ いたる(初)
38候 寒蝉鳴く ひぐらし なく
39候 深き霧まとう ふかききり まとう
太陰暦七月節 立秋。
空気の質が劣化し、桜の樹も暑気で水分が蒸発し枯れ始める葉が出てくる頃です。
大が往き 小が来る。否=否定であり、暑さや慌しさを避けて生活のリズムを調節することが大事な時候です。
小人が力を持ち、物事を正しく行っても うまくいかないことがあり、注意が大事です。
白露ぐらいまでは穏やかに気功の技も動功より静功が向いています。
この頃は夏バテをする方々も増えやすく、消化の良い食物の吸収が重要で
胃腸の働きが弱まると力が出なくなり、大脳の働きも低下しやすいです。
呼吸も浅くなるので激しい運動は誰でも心臓に負担がかかりやすく
体調管理は大切です。
空気の質の良いところにいて、穏やかな時間をのんびり過ごすのが理想です。
導引術や気功の運動では「秋:肺臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
処暑
26~34 30~36℃ 静極生動 五気元明
40候 綿のはなしべ開く わたの はなしべひらく(初)
41候 天地始めてさむし てんち はじめてさむし
42候 禾乃みのる こくもの すなわちみのる
日本人のなりやすい三大疾患は、心筋梗塞などの「心臓病」「脳卒中」「動脈硬化」ですべて血液の質に影響するものが多いです。
行うとなれば、きれいな血液の状態を維持し、安定した穏やかな血行促進ぐらいが暑気が和らぐまでは望ましいです。
月が欠けて晦になる時には峠も過ぎていると思いますのでもう少しです。
まだ夜中にも目が醒めやすくできれば腹式呼吸法などを行いましょう。
心地よい睡眠のリズムへと戻りやすくなります。
白露(観)
26~34℃ 動極生静 地泰天清
43候 草露白し くさつゆ しろし(初)
44候 鶺鴒鳴く せきれい なく
45候 玄鳥去る つばめ さる
この時期頃から、朝に草の葉に露が付き始めていきます。
明け方から温度が下がり空気中の水分が冷えて水滴となって葉につくためです。
これから気をつけて頂きたいのは肺の機能強化と大腸の動きを活性化していくことが大事になってきます。
温度差が大きいと鼻づまりや咳などが出やすいので肺を意識することと、食べ物は身体に入っても小腸と大腸によって栄養分を吸収して、必要な成分は身体全体に運搬されるように血行促進方法が必要になり、不要な老廃物とを選り分け輩出するのが腸の仕事なのです。
このよい生活習慣連続があってこそ 栄養を得た身体はより力強い活動が行えて、静けさも広がり、落ち着いて睡眠も質がよくぐっすりと眠れます。
こうしたことを意識することで、ありとあらゆる生活のすべては「実る」といえるでしょう。
現代社会とはどちらかといえば、「無意識的」に近い生活です。
そこからすべてを「意識的」にすることで自身への信頼が強まっていくものです。
導引術や気功の運動では「土用:脾臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
秋分
23~30℃ 訣和天地 観音入霊
46候 雷乃ち声を収む かみなりすなわち こえをおさむ(初)
47候 虫かくれて戸をふさぐ むしかくれて とをふさぐ
48候 水始めて涸る みず はじめてかるる
これから気をつけて頂きたいのは肺の機能強化と大腸の動きを活性化していくことが大事になってきます。
温度差が大きいと鼻づまりや咳などが出やすいので肺を意識することと、食べ物は身体に入っても小腸と大腸によって栄養分を吸収して、必要な成分は身体全体に運搬されるように血行促進方法が必要になり、不要な老廃物とを選り分け輩出するのが腸の仕事なのです。
このよい生活習慣連続があってこそ 栄養を得た身体はより力強い活動が行えて、静けさも広がり、落ち着いて睡眠も質がよくぐっすりと眠れます。
こうしたことを意識することで、ありとあらゆる生活のすべては「実る」といえるでしょう。
現代社会とはどちらかといえば、「無意識的」に近い生活です。
そこからすべてを「意識的」にすることで自身への信頼が強まっていくものです。
この時候での導引術や気功の運動では「秋:肺臓」の意識運動を行う季節も真ん中を迎え、更に
「土用:脾臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
寒露(剥)
22~28℃ 天人交泰 三花聚頂
49候 鴻雁来る こうがん きたる(初)
50候 菊花開く きくのはな ひらく
51候 蟋蟀戸にあり きりぎりす とにあり
「剥:はく」これからの時候は日に日に、秋が深まり
神羅万象のすべてを育成して来た”神気”が弱まり、太陽の日差しも弱くなっていきます。
木々からは葉がどんどんと落葉していき「剥がれて」いきます。
霜降
16~25℃ 訣化天地 返元帰真
52候 霜始めて降る しも はじめてふる(初)
53候 小雨ときどきふる こさめ ときどきふる
54候 楓蔦黄ばむ もみじつた きばむ
人間界では、この春~秋までの成果によっての力を蓄えていくことが大事です。
「陰盛陽衰」になっていくので、この年の成果の弱かった者は小人と化していくこともあり、
冬至までの2ヶ月ほどには注意もこれからは必要です。
精神的にも肉体的にも慎重に管理して「元気」を減らさないように心掛けましょう。
冬(3か月)
立冬(坤) 足欠陰肝経 燕飛勢(叉歩)
13~22℃ 慧眼遥観 万象皆明
55候 山茶始めて開く つば はじめてひらく(初)
56候 地始めて凍る ち はじめてこおる
57候 金盞香 きんせんか さく
これからの時候は冬至へ向けて神気は更に弱まり、太陽の日差しの力も弱くなっていきます。
大地へすべてが回帰して気の性質は「太陰」へと移行します。
人間界では、これからの時期は慌しさが更に増し、日に日に体調不良を感じる方々が多くなっていきます。
小雪
11~20℃ 慧眼朗照 天地重心
58候 虹かくれて見えず にじ かくれてみえず(初)
59候 朔風葉を払う きたかぜ このはをはらう
60候 橘始めて黄ばむ たちばな はじめてきばむ
感冒:風邪予防には今迄に高めてきた呼吸力強化の継続、寒気対策として動功の実践、
特に初冬で気をつけたいことは、小腸・大腸をよくほぐし流れをスムーズにしながら内臓脂肪の溜まりにくい体質を作っていきましょう。
時間的にもゆとりを持ち、要領よく、効率よく、効果の大きいライフワークが功を奏します、「元気」を減らさず心持ちを穏やかに過ごしましょう。
大雪(復) 足少陰腎経 勢
3~11℃ 三元合一 顕象化身
61候 閉塞冬となる そらさむく ふゆとなる(初)
62候 熊穴にこもる くま あなにこもる
63候 さけの魚群がる さけのうお むらがる
立冬から一ヵ月半ほど経ち、今までに神気はゆっくりと弱まってきましたが、冬至を期に
太陽の日差しの力はゆっくりと「復:復活」の力が戻っていきます。
大地へすべてが回帰し、陰気が極まり「陽気」がゆっくりと生じるようになります。
これからの一ヶ月半ほどが一年間では最も厳しい寒さの訪れがありますが、その寒気がありとあらゆるすべてを浄化し、
また大地は新たな力を宿すようになっていきます。
静功によって心を穏やかにして、動功にて全身の血行促進を図りましょう。
呼吸力強化は風邪除けも含めて様々な面でも重要です、特にお餅を喉に詰まらせ易い時候ですが、
呼吸力や喉の筋の柔軟性も関連します。
厳寒に向けては五禽戯の虎戯によって骨を練り、全身の気血のめぐりを活性化していくと効果的です。
猛烈な寒気は下半身の冷えを招き易く 腎臓や膀胱に負担がかかりやすいので、心肺機能を落とさずにしていくことが望ましいです。
冬至
2~9℃ 三極復元 雑念掃清
64候 乃東生ず なつかれくさ しょうず(初)
65候 さわしかの角おつる さわしかのつの おつる
66候 雪下りて麦のびる ゆきわたりて むぎのびる
「冬至」は一年間で最も夜が長くなります。しかしながら、特に夕日の訪れがこれまでに早まって来たものは、
これを機に、ゆっくりと日が徐々にですが、長くなります。
呼吸力強化は風邪除けも含めて様々な面でも重要です、特にお正月の食事で老人がお餅を喉に詰まらせることがありますが、
息の出し入れの”肺活量における呼吸力”や”喉の筋の柔軟性”も関連するので意識運動は重要です。
厳寒に向けては質や効果のたかい全身運動を行うと、体温が上昇し、これから訪れる”真冬の寒気”が来ても、
血液循環している皮膚下ではコーティングされるように”バリア”の役目を果たします。
全身の気血のめぐりを活性化していくと効果的です。
猛烈な寒気は下半身の冷えを招き易く 腎臓や膀胱に負担がかかりやすいので、心肺機能を落とさずにしていくことが望ましいです。
この時候での導引術や気功の運動では「冬:腎臓」の意識運動を行う季節も真ん中を迎え、更に
「土用:脾臓」の気を高め、活性化を図り、活力をどんどんと強く引き出していく功法が生きてきます。
小寒(臨) 足太陰脾経 通天採気 太陰終気
0℃ 0~7℃ 念訣清心 無病延生
67候 芹乃ち栄う せりすなわち さかう(初)
68候 泉水温をふくむ しみず あたたかをふくむ
69候 雉始めてなく きじ はじめてなく
現代日本の太陽暦正月が過ぎて、冬至から半月。
厳寒の時期が訪れます。
「臨」、小寒~大寒~立春までに、地中深くではもう春までの大きなエネルギーをゆっくりと蓄えています。
陽射しの力も天気の良い日は力を少しずつ取り戻した実感があり、夕方の日も少しずつ遅くなっていきます。
大自然の見えざる力がまだ目に見えず、しかしもうすでに「臨む:いどむ」準備の完成をしておく、時期を「臨」といいます。
実際に、大地が動き出さない限り、すべての農業なども行えず、物事は何でも精神的にも
肉体的にも準備や心構えができているかどうかで、その年のスタートで物事の後々は決まります。
大寒
ー1℃ 0~6℃ 心境開明 万縁粛清
70候 蕗の華さく ふきの はなさく(初)
71候 水沢氷つめる さわみず こおりつめる
72候 鶏始めてとやにつく にわとり はじめてとやにつく
この時期から氷は厚くなり、霜柱も一年で一番高くなります。
大地は閉塞して固くなり、天では夜空に広がる陰気に力が強くなる時候で、太陰暦立春・新春までは
万物はひたすら閉蔵し力を蓄えています。
厳寒の陰の気から、心身をしっかり守るためには「陽気:明るさ 温かみ 活気」が大事になって来ます。
世間では「インフルエンザ」が大流行し、病気になってしまった方々のことが多く話題に上り、
「心身への不安」と「病気への怖れ」が風潮として一年で最も大きくなる時候です。
凍りつくものからすべてを守り、温かみを大事にして、邪な風「風邪:インフルエンザウィルスなどの空気中の黴菌」が
体内へと入らないようにするために※2意識呼吸法により防ぎ、筋肉、関節が固くならないようにして、骨髄の流れの停滞を予防して、
臓器では下半身に位置する臓器:腎臓と膀胱の水分の流れのはたらきを高めることが重要であり、
活気を全身に漲らせることが本当の新春正月、立春までの大事な功法になります。
そのことで、新春の訪れと共に、また新たなる森羅万象を生成する”神気”と自身でも、冬の冴えた寒気を以て、
心身が清められ、大自然の生命力の高まっていく実感の共感を得られるようになり、
また”新しい春”と共に、共生していく喜びを感じられるようになります。
※2意識呼吸法
1、胸式呼吸法:胸郭の広がりを意識した呼吸動作
2、腹式呼吸法:横隔膜の広がりを意識した呼吸動作
3、4通りの呼吸訓練:呼吸という言葉の意識的実践
鼻と口を意識して、息を出して、息を吸う 息を吸って 息を出す”呼吸運動”
1、口吸口呼:口で吸って、口で出す 口~口
2、口吸鼻呼:口で吸って、鼻で出す 口~鼻
3、鼻吸口呼:鼻で吸って、口で出す 鼻~口
4、鼻吸鼻呼:鼻で吸って、鼻で出す 鼻~鼻