今回は中国武術の解説 カンフー:功夫とは、を解説致します。
その前に私達の横浜での武術普及プロセスを紹介したいと思います。
今現在に私達横浜武術院には、武術班/武術隊 そして太極養生班を創設してあります。
しかしながらその前身は1984年から全日本太極拳協会、東京太極学院に所属し、
その協会内にオリジナルの活動を行う東京武術隊を1987年の夏に創設し、競技選手兼武術コーチを東京で担当していましたが、
フィットネス業界入りしてから、横浜市港北区にあるスポーツクラブ、オアフクラブ綱島で中国武術・カンフースクール、
太極拳スクールの講師を受け持つようになり、東京からの通勤が面倒になり(笑)
横浜市に1999年に転居しました。
2001年2月に運営会社の㈱毎日スポーツ企画が倒産してから、私は3つのスポーツクラブ運営会社からの委託業務として、
都内と横浜市内のスポーツクラブ・フィットネスクラブでのレッスン指導に回るようになりました。
そして、そのオアフクラブ綱島のスクール教室を、残そうと思い、
初めは、地域の文化スポーツクラブの活動で「横浜武術隊」とアマチュアスポーツ武術チームを創設しました。
それから、プロインストラクターを目指す人も出て来たことで、地域の卓球練習所を使わせてくれるようになったので、
スポーツクラブでの会員さんたちのすべての普及活動を合わせて「横浜武術院」として包括して行うようになりました。
そして来年からは今年2017年の準備期間を経て「上海 復旦大学武術協会」「上海 龍身蛇形太極拳総部」の、
日本本部として、新しいスタートを始めることになりました。
上海 復旦大学武術協会 龍身蛇形太極拳 日本本部ウェブサイト
こちらもよろしくどうぞお願い致します。
元々、そういった経緯があったので、私は伝統中国武術スタイルの出身でしたが、
世の中に出ていく為の初めは「武術隊スタイル形式」で、競技スポーツの武術に力を入れていたこともあり、
武術競技の世界も長くいました、同時に普及活動では、一番重要視しているのは、
健康増進、ストレス解消、特技として:特殊技能の体得を目指す皆さんに多く指導で力を入れていました。
そういったこともあり「武術隊」の活動では、競技志向、つまりは「より速く、より高く、より強く」を意識した武術活動になっていきます。
そして「武術班」「太極養生班」では、老若男女誰しも、永続的な心身の発展、
伝統文化である武術教養、武術技能、養生、思想哲学を合わせた総合的武術活動を展開して長期的な武術活動を行うチームになります。
従って、私達の武術活動には「初心者」「中級者」「上級者」という区分でチーム分けをしているのではなく、
ニーズは「競技武術」は競技大会の成績をひとつの技能資格取得としてスポーツクラブでのプロインストラクター育成の一環として行っています。
武術班はアマチュア活動として、健康運動としてずっと行っていてもいいですし、時間をかけてゆっくりと武術教育者としての人材を育て、
スポーツクラブより「フィットネスクラブ」的なインストラクター養成や「フィットネス:適した」生涯運動指導者を多く育成したいと考えて行っています。
それに、スポーツ選手には必ず「引退」がつきものですが、武術班は伝統的武術活動なので引退はなく、永続に活動を続けられるので、
武術隊から武術班へ、あるいは武術班から武術隊へ、または太極養生班へ、とどのようにでも応対ができるように、技能だけでなく理論や養生まで含んだ武術文化活動を確立させてあります。
そういった私達の活動経歴を持って、今回の「横浜武術院スタイル 中国武術・カンフー:功夫とは」を紹介したいと思います。
日本では「カンフー」と呼ばれて広まった中国武術ですが、一般的には「中国武術 WUSHU ウーシュウ」といいます。
日本組織のある一部には「武術太極拳」という呼称を1986年から、使うようになった組織団体もありますが、それ以前の大会では
「1984年 第1回中国武術・太極拳表演大会」として開催していました。
私も以前は、共に活動を行っていた時期もありますが、本場中国武術文化を取り込むことがなく、
一部分的なスポーツ競技、体育レクリエーションのみで、日本人創作的なものになったこともあり、
私達は本場中国スタイルの日本版標準化、規範化を中国武術国際段位制も導入し、
今年から新たに国内では全日本太極拳連合会の協力団体となり、国内活動を再開致しました。
そこで、これまで本場中国武術の先生方に聞かれたのは、よく何で日本だけは表記が「武術太極拳」というのか?と質問をされました。
それは「武術」の項目の中に「太極拳」があるのに、どうして「武術太極拳」になっていくのか?ということで、
例えを変えると「水泳」の中に「平泳ぎ」があるとして、「水泳平泳ぎ」ということと同じになってしまうということです。
おそらく、「現代日本社会」によくあった傾向で、数の論理を専攻した考えを通したことで、
大きくなっていく普及展開においてはあまり深く考えていなかったのだと振り返っては感じます。
(※やり方次第では、これまでに本当に多くの展開でのチャンスや機会があった分、とても残念に思います・・)
そして、アメリカでは「WUSHU・KUNG-FU」として普及展開していて大きなムーブメントになっています。
これまでに「WUSHU」は中華人民共和国である中国大陸で行われたもの、「KUNG-FU」はそれ以前の明、清王朝から、
中華民国までに残された古き伝統的な技術のことを指していっていました。
ヨーロッパでは、MARTIAL・ARTS(格闘芸術)として空手、キックボクシング、テコンドー、武術を全部まとめています。
日本で「カンフー」・「クンフー」と呼ばれるようになるのは、映画での紹介のされ方によってこのように呼ばれるようになりました。
それ以前は香港カラテとか、中国拳法と呼んでいました。
”功夫”と書き、北京語では ゴンフー 広東語では コンフー と発音し、時間をかけて身に付けた「高度な技術」という意味です。
「時間」「能力」「腕前」を総称し、あるとあらゆるものへ工夫と智慧を凝らしたものに対する総合的能力をいいます。
このように、中国武術界では技を磨き、身体を鍛え、積み重ねた時間が、その人の精神力を高めます。
「身体・からだ」と「精神・こころ」を強くする為の、積極的な活力を高める運動なのです。
分類としては
拳術(素手で行うもの)
・外家拳
積極的に体を動かし、主に筋骨を鍛える拳術
少林拳 弾腿(譚腿) 秘宗拳 華拳 査拳 梅花拳 綿拳 地功拳 翻子拳 通背拳
象形拳「形態・動物」の動きを取り入れた拳術
酔拳 鷹爪拳 猿拳 蟷螂拳 蛇拳 虎鶴双形拳 鴨拳など
・内家拳
しなやかな身のこなしが特徴で、複雑な動作をこなす事により、理知的な物事の考え方を学び、内臓のはたらきを高める拳術
太極拳 形意拳 八卦掌 八極拳 意拳 (大成拳)
長拳・南拳は、共通の動きを持つ拳術を総称としてい呼んでいます。
長拳:総称として(少林拳・華拳・花拳)などの基礎の上にまとめられた項目、
「のびやかで、大きく」という動きが日本語でいえば「長けている」ように体を扱う拳術を「長拳」といいました。
現在では、伝統長拳 競技長拳、と呼んだ方がいいでしょう。
南拳 :中国南方、長江より南で行われるの拳術 洪家拳・蔡李仏家拳・五祖拳・詠春拳などの総称です。
武器術のことは、古くは「兵器」といいましたが、現在は「器械」というようになりました。
器械
短器械 :刀術 剣術
長器械 :棍術 槍術
軟器械(軟らかい性質を持った武器) :九節鞭 三節棍 流星錘 縄標 双節棍(ヌンチャク) 長梢子 短梢子
双器械(両手で扱う技術) :双刀 双剣 双鉤 双匕首 双錘 単刀拐(刀と所謂トンファー)
そして「気功」にも用途によっても分かれます。
軟気功(保健気功 健身気功)
自分で血行促進を図る、健康法、体操です。
馬王堆導引術 五禽戯 八段錦(筋持久力を高めながらの、しなやかなストレッチ運動)
易筋経(ヨガの中国的発展訓練) 洗髄経
硬気功
自分の身体を硬くなるまで鍛えるトレーニング
排打功(自分を叩いて鍛える)
木人功(木の人形相手のトレーニング)
鉄牛耕地功(腕立て伏せ)
鉄頭功(頭で逆立ち、あるいは頭を叩いてもらう)
中国は歴史も長く、人も多く様々な知恵が武術運動を生み出しました。
格闘技術、運動、健康法と「国」や「時代のニーズ」により広まり方は異なります。
人、それぞれにあった中国武術の項目を選び、自らのライフワークに活かしてそれぞれに楽しく行われるのが理想の姿だと思います。
「気功」について、ですが、
そもそも、特徴として中国大陸で発達した文化は多方面において、多種多様に発展していきます。
「気功」という名も、人間の「気:生体エネルギー」の「功:トレーニング」という意味で用いており、
これは、健康体操、メンタル・トレーニング、医療方面に到るまで、かなり広い範囲にまで及びます。
中でも、硬気功のように、肉体の強度を高め、それを人々に見せることを職業にする、大道芸化したものまであります。
「気功」という「言葉」は1970年頃から頻繁に使われ、日本でも、その頃から関心がもたれ始めます。
中には、傾向として「神秘主義的」なものとして扱われ、本来の形とは違う姿になってしまったものがかなり多く見られます。
これは、中国では信仰や宗教が禁じられた時期があったために、それにとって変わる存在になってしまったようです。
一時期の日本でもそうですが、
時代や社会が「不安定化」すると、何か「とてつもない力」に憧れるようになり、
それを求めようとする動き(あるいは、その力を持っていると言い出す人)が出てきます。
言動と実際に行われる行動は一致しなければなりません。
正式な呼称としては古来は「導引」あるいは「行気」「坐忘」と呼んでいました。
中華人民共和国は「文化大革命」の影響もあり、一時はその活動や行為そのものを、国が禁止した時代がありました。
ですから、当時の優れていた達人:マスターは台湾や香港、東南アジア方面に脱出し、アメリカやイギリスなどの海外でその活動をするようになります。
近年中華人民共和国では「健身気功」という名前に変え、国家体育健身気功管理中心を設立し、「易筋経」「八段錦」「六字訣」「五禽戯」を創編しました。
気功運動として、元々のルーツですが、
「易筋経」は「少林寺」に「禅」を伝えたインド僧「達磨大師」が「座禅:坐忘」を伝え、
更に疲れた肉体をほぐす技術である「行気:伸展運動」としての「ヨガ」を教えたそうです。
「八段錦」は、元々は「易筋経十二段錦」と呼ばれるようになった運動プログラムを短くしたもので、拳での突き技:パンチの練習を取り入れ「武八段錦」と呼びました。
それが、後に農機具から発達した武具を用いた「少林武術」になったといいます。
五禽戯は「華陀 104~208年」が創始し、虎・鹿・熊・猿・鳥の動きを取り入れた運動で、後に様々な中国武術の象形拳のルーツになった導引術に初めて武術的意識動作を取り込んだ動気功です。
中国の伝統運動文化は、歴史的な流れでは、紀元前2世紀の前漢時代にはすでに行われていたという、中国湖南省出土の「馬王堆導引図」が全ての気功のルーツになっています。
「導引」とは、「導気令和、引体令柔」の頭文字をとったところから来ており、
訳せば、
人体は「気:意識」を「導く方法」を行うことで、「和む」ようになり、身体を引き伸ばすことで、身体は「柔らかくすること」が出来るようになる、というものです。
現在、日本でもアメリカンスタイルの「ヨガ」ブームが起きていますが、実は「ヨガ」という名前は、「つなぐこと」という意味の言葉からきています。
身体の不調は、体内循環の巡りが悪くなることが「病気」の根本として考え、様々なポーズをとり、維持することで関節と筋肉を「つなぎ直し」
意識した「呼吸」をすることにより、血液中の酸素を増やすことで大脳のはたらきを向上させるのです。
その体内循環の流れの中に含まれる「エネルギー」をヨガでは「プラーナ」と呼び、導引では「気」といったのです。
「現代医科学」では、血液中に含まれる「赤血球」の中の「ヘモグロビン」が「酸素」を受け取り、
運動による体内刺激を受けることでリンパの流れが活性化される、というのです。
結果としては、同じことを言っているのです。
時に、言葉は違う単語により語弊が生まれますが、
人間に備わった機能は誰しも同じであり、人間の体は、本人の意志ですべてが作られていくものであります。
ですから、食事などもそうですが、本当に「身体にい「良いもの」は、
名前が有名だからとか、誰かがやっているから、選択するのではなく、
自分の意志で「良いもの」を見つけ出す「選択能力」を高め、
日々努力することが最も重要なことです。
次は「動作名称」についてです。
中国武術に限らず、中華文化圏では、その言葉の持つ、本来の「意味」が重要です。
漢字は数千年間変わらぬ「意味」も持ち続けています。
ですから、その意味を吟味することが理解を深めます。
料理に例えれば、「回鍋肉」という料理がありますが、これは、「回」という意味は「戻ってくる」、というのと、「肉」とただ書けば「豚肉」のことをいいます。
そして、「鍋」
つまり、これは調理の過程で、始めに「油通し」した野菜類の食材が、鍋の中の肉を炒めたところに「戻ってくる」ように作る料理、ということを教えてくれています。
このように、「名称・呼称」を見ればイメージがおおよそが解るようにできています。
大体は、○○+△△というようになっています。
馬歩推掌や虚歩挑拳というのがその、いい例です。
馬歩推掌は馬歩(馬にしっかりと跨るようにふんばる歩型)で掌で推す。
虚歩挑拳は虚歩(前後に虚実を分けた歩型)に、挑(下から上に向けて打ち上げる)で拳で打つ、という意味です。
このように、文章の読解能力と実践が合わせられて身体で理解していくのです。
文武両道は、こういうところから見に付けていきます。
そして武術練功において重要な考え方である「用功五誌」を紹介します。
博学:博く学ぶべし(功夫を多くするに足る)
審問:審(つまびらか)に問うべし(口で問うに非ず、是は聴勁なり)
慎思:慎みて思うべし(時々に想念せよ)
明弁:明らかに弁ずべし(生々にして已まず)
篤行:篤く行うべし(天行健なるが如し)
現代日本社会環境では、「素直に純粋に」とが、なかなか、難しいことかも知れませんが、古代から、未来へ向けての永続的な智慧としてのエールだと思うのです。
人生はなかなかうまくいかないことの連続ですが、努力は必ず報われると信じて頑張っていきましょう。
武術の練習における注意事項ですが、
○先ずは服装ですが基本的には両肩・両股関節の動き易いものがいいでしょう。
靴は体育館履きのように底が平らなものがおすすめします。これは「片足立ち」などはバランスを崩しやすい為です。
○練習時間ですが、それぞれの集中力の継続とリラックスの交互交換における練習ペースも大事です。
一人で練習される方は、リラックスしている時はシンプルな動作をしっかりと基本・基礎に忠実に行いましょう。
それは確実なステップアップ、レベルアップに繋がる為です。
「集中力」の持続時間に「難しい技」を練習しましょう。
大体怪我をし易い時は集中力が途切れた時か、迷った時に起き易いものです。
○初めは先ず「ストレッチ」が大事です。
身体全身の全関節周りと筋肉を、落ち着いてしっかりほぐして置きましょう。
これは日々の身体のコリをほぐし、心身感覚でのリフレッシュ効果も大きいためもあります。
「蹴り技」の練習を行う前には必ず「大腿部・膝の裏の筋肉」を伸ばしておきましょう。
そして練習メニューの内容ですが、しっかり準備運動が済みましたら次は「武術基本功」と呼ばれる専門トレーニングに進みます。
中国武術は、長い歴史の中で培われた様々な 練習方法があります。
特に、季節における真冬や真夏では、日に日に寒くあるいは暑くなってきますので、一人で練習している方、チームで練習されている方々にもいろいろと注意が必要です。
先ずは、ウオーミングアップですが、身体を十分に温まるトレーニングに加えて、全ての各関節をしっかりとほぐしておきましょう。
注意一秒、ケガ一生の言葉通りに、一瞬の不注意で取り返しのつかないことにもなりますので、集中力を大事にしましょう。
ウオーミングアップ、武術基本功も基本動作がひとつひとつある水準までできて来ましたら、「組み合わせ動作練習」を行います。
「組み合わせ」とは、動作を2つ以上から、繋げて反復活動する練習です。
やり方は、長拳などの拳術では、
基本五歩型(弓歩、馬歩、僕歩、虚歩、歇歩)
三大手法(拳、掌、勾手)
平衡動作(提膝平衡、燕式平衡、仰身平衡、扣歩平衡)
跳躍動作各種、
それから腿法+歩型や 身法+歩型 などを組み合わせ、
器械では、器械の操作方法+歩法(行歩)歩型 などを行います。
様々な技術のコンビネーションを練習することで、武術動作における身体制御能力を高めることができます。
これを「協調性」と呼ぶことがありますが、「力み」や「無駄な動き」を省き、技を洗練していくことをいいます。
そして「組み合わせ練習」がある程度できるようになりましたら、次に「分段練習」を行います。
「分段」とは「段」ごとに「分けて」行う、ということです。
大まかですが「一段」は、3つから4つの「組み合わせ」から作ります。
パターンも様々ですが、シンプルに「動作」+「動作」「跳躍」+「跳躍」
「動作」+「跳躍」あるいは「跳躍」+「動作」
これらを、いろいろと組み合わせていきます。
「伝統套路」は、しっかりと一つ一つをそれぞれの特色を活かすようにし、
「規定套路」は初心者には非常に適していますので、コツコツと練習し、
「自選套路」はかなりの複雑なコンビネーションをこなすことが大事です。
元々、中国武術はたくさんの種類があります。
これからはオリンピック・ムーブメントなどもあって、非常に盛り上がっていく事でしょう。
皆さんがそれぞれ、「自分らしさ・個性」を活かしてこそ「武術らしさ」が発揮します。
<直伸性腿法>
1.踢腿 ティー・トゥイ
’真っ直ぐに蹴る’いう意味の技です。つま先を上向きのまま蹴り上げます。
ここで大体の自分の足も上げる位置を知る事ができ、柔軟性が高まり、筋力が上がれば高く、速くなります。
2.外擺腿 ワイバイ・トゥイ
’外側へ押し開く’という蹴り技です、内側より外側へ大きく広げるように行います。
3.里合腿 リーフー・トゥイ
’中へ合わせるように’行う蹴りです、外側より内側に入れる回し蹴りです。
4.拍脚 パイジャオ
足の甲を掌で左右交互に叩くように練習します何故「叩く」かというと手と足を叩く事で「足の蹴る位置」「掌で避けるための手の力」を強化します
練習方法では、これらの技を1セット左右交互に歩きながら練習します。
初めのうちは左右の足で6~8回がいいでしょう、できれば5~6人で一列になって行うと待つ間がいい「インターバル」でいうような、
休んで動いて、休んで動いてというリズムやペースができるルーティーンになります。
練習仲間でお互いに見ながら学び、いいところを吸収し合って行うと相互レベルアップでの「上達効果」があります。
しかし、気を付けなくてはならないのは互いにアドバイスをおくる時には、「良い所」を言って上げるようにしたいものです。
日本人は比較的に見られることへの「自意識」が強いですから、「良くない所」を指摘すると、かえって「気にしすぎて」しまう傾向があります。
先ず皆全員の意識が、それぞれに「自信が持てるように練習・指導する」ことが大事です。
「良くない所」を指摘するのは非常に簡単な作業です。
競技志向で、必勝を目指す場合には、ありとあらゆる面からの強度を上げる必要性がありますが、
私達は原則、生涯体育運動での健身を重視する伝統武術精神では、成長を見守り、大らかで温かみのある「おもいやり」が、
日本国内で行う武術活動が大切に思っています。
誰もが一緒に楽しく練習する仲間全員の実力が向上できるような練習・指導環境をめざしましょう。
いい武術練習環境であれば、誰しも必ずレベルも上がり「やる気」も出てその雰囲気も内容よくなります
次に「屈伸性腿法」の解説を行いますが、
中国武術の練習でとても大切なのが、「武術基本功」というトレーニング方法です。
武術基本功で行う動作を一通り繋げていくとると、現代でいうところの「長拳」という呼称の少林拳系の拳術ができるようになります。
古来「長拳」というのは「少林拳・華拳・花拳・査拳」などの大きく伸びやかな動きをする伝統拳術の総称として使われていましたが、
近頃ではオリンピック・スポーツ競技志向の影響もあって時代の変遷があり、
跳躍動作重視が主流に変わって来て、武術:武芸の技術動作を意識よりも、体操競技の要素が取り入れられて来ました。
それを伝統功法は「功夫・カンフー:時間、能力、腕前」を重視する、「武術教養、武術教育」として、
スポーツ競技は現在はオリンピック項目実現化を目指している「競技武術」とに練習内容や武術意識を分類するようになっています。
基本練習の内容は原則的なものは一緒ですが、競技武術はスポーツ運動としての強度をひたすら上げていくものになっています。
「屈伸」とは「曲げ伸ばし」を意味しています。
曲げてから伸ばす性質の「力」を使う蹴り技という意味です。
共通するのは、初めは支える軸足(左足で蹴る時は右足)の膝を軽く曲げて体重を溜めるようにしておきます(屈伸)
そして蹴るほうの足は軸足の内側へ置き、膝を曲げたまま上に持ち上げます。
5、弾腿 タントゥイ
呼称の文字にある通りに弾が発射するように勢いをつけて弾き出すように蹴るところへ、この動作の意味があります。
中国武術は動作に全て意味と力の使い方が集約されています。
練習方法は両手の位置は拳を腰にあてて背筋を伸ばします。
膝を持ち上げて曲げた膝を勢いよく伸ばし、この時に足の甲から~つま先まで真っ直ぐにして蹴ります。
サッカーでいうところのインステップキックです、膝周りから大腿部の筋力を鍛え、バランス感覚をも高めます。
これを片道、交互に行いながら左右1組を5セット程やります。
5~6人で練習すると待っている間が良いインターバルになります。
※これをつま先を立てて踵で蹴ると 蹬脚 ドントゥイ という技になり、斜め下から斜め上への蹴り技は 鞭腿 ビィェントゥイ になります。
6、側端腿 ツーチュワイトゥイ ですが、同じく「屈伸性腿法」で、この動作も脚力における「屈伸」曲げ伸ばしの力を使って蹴る動作です。
ただ格闘能力を向上するだけでなく、自分の身体能力の向上:パワーアップと その維持が大切になります。
「側端」とは足の小指から踵までの端っこの部分をいいます。
ここへ力を込めて曲げ伸ばしの力を使って蹴り出します。
組み合わせ練習の方法ですが、「武術基本功・ベーシックトレーニング」から
「弾腿衝拳」の方法を紹介します。
「弾腿」とは脚で「弾ける力」で蹴る技「腿法」という意味です。
「衝拳」とは「衝突するような勢いで」拳=パンチを出すという事です。
「組み合わせ」では、このように2つ~3つなどの動作をつないで練習します。
歩いて進みなながら「右拳=パンチ」と「左足のつまさき蹴り」のコンビネーションを行い、これを左右入れ替えながら繰り返します。
中国武術の特徴は非常に繊細な力の使い方をするのが特徴です。
運動することが、大脳への刺激や身体能力の向上を図ります。
いつまでも「自分自身」がより良く活躍できるようにする為には、精神と肉体、つまりは「からだとこころ」が、
いいかたちで結び付いて「元気」「活気」のある事が大事です。
次は、跳躍技の練習方法をご紹介します。
先ずは、柔軟体操 足技の練習が終わって十分にウォームアップができてから始めます。
次は足首をよくほぐしてから膝をほぐします。
跳躍技は飛ぶよりも着地の方が難しいのです。
全体重を脚で支えなければなりませんから、しっかりと集中しましょう。
「騰空飛脚 タンコン フェイジャオ」
1、軽く両足ジャンプ~着地を練習します
次は両足をジャンプしながら入れ替える練習 そして、拍脚という足の甲を叩く動作を練習します
2、慣れてきたら、ゆっくりと左足を持ち上げ降ろすと同時に右足を持ち上げます、そのまま、足を伸ばし空中で、先程行った「拍脚」をやります
初めは安全に左足着地、次にスピードが着いてきたら両足着地。
更に技が向上し強度を上げていく場合は、助走をつけて右足着地になるとかなりの身体制御能力がついています。
中国武術の特徴は身体制御能力を高めることが第一です
そして「自分」の好きな分野を見つけて練習を続けることが大切です
「カンフー・功夫」ということばは時間をかけて身に付けた能力のことをいいます。
「功夫」を頑張って楽しんで積み上げましょう!
騰空飛脚の名称は呼び方が2種類ありますが、もうひとつは「二起脚」という呼び方です。
これは左足を上げと右足で蹴り上げる勢いが「二回起きる」脚技であるために「二起脚」といいます。
日本では紹介されたことが影響していますが、本場中国大陸での統括している中国武術協会の普及での呼び名は「騰空飛脚」です。
これは「勢いよく空中に飛び上がるように蹴る脚技」です、一般的に「二起脚」というと着地足は太極拳でもあるように左足のみですが、
「騰空飛脚」は右足着地も行います。
このようにちょっとした違いはありますが基本的には同じものと考えていいでしょう。
このように、中国武世界は動きや技の名前などにも関心を持つとなかなか面白いものですね。
次はご存知の方も多い「旋風脚」です。
この技はカンフー映画好きな方々や実際に中国武術を練習している人は必ず目にしたことのある技法です。
練習は必ずウォーミングアップを十分行ってからやりましょう。
先ずは左足の擺蓮脚を練習し、次に里合腿を行います。
そして2つを組み合わせて行えば、動作のパターンがつかめます。
そして左回転で空中で回る練習をします。
これを翻身跳(ほんしんちょう)といいます。
そこで、この翻身跳を行う間に先程の左足の擺蓮脚、里合腿をつなげると旋風脚になります。
この技は「旋風」つむじ風のようにクルリと回る姿を意味しています。
足首や膝に細心の注意をしながら頑張ってマスターして下さい。
次は「騰空擺蓮脚 タンコンバイリィエンジャオ」です。
跳躍動作練習はウォーミングアップを十分行ってからやりましょう。
はじめは左足の里合腿を練習し、次に右足の擺蓮脚を行います。
そして2つを組み合わせて行えば、動作のパターンがつかめます。
そして今度は右回転に空中で回る練習をします。
先程の左足の、里合腿と擺蓮脚をつなげると騰空擺蓮脚です。
「騰空」とは「空に高く飛び上がる」ことを意味します。
「擺蓮脚」の「擺」は内から外へ向かっていく力、「蓮」は「蓮の花」のような円い形を描く ことを同時に行う足技のことをいいます。
さまざまな技を身に付けるという事は身体を進化させることです、永続的に心身を進化させ続けていきたいものですね。
「側手翻 ツーショウファン」「側空翻 ツーコンファン」です。
両手、あるいは片手で着いて横向きに回転する側転を「側手翻 ツーショウファン」です。
速度を更に上げていき、手を地面に着けず、足だけで回転し、行うものが「側空翻 ツーコンファン」になります。
この2つの動作の分類は跳躍技ではなく「槍背 チャンベイ:前回り回転」
「後翻 ホウファン:いわゆるバック転やバック宙返り」と同じく、回転動作になります。
次は「旋子 シュエンズ」です。
この動作はもともと武術史的には、武術動作が京劇に取り入れられた空中技をまた更に中国武術動作に取り入れたものです。
中国武術と京劇との交流の歴史は深く、互いに技術を取り入れあうことを行ってきました。
元々は武術の左右の連続蹴りを、京劇的なアレンジを加えて 更に武術へ逆輸入をした感じです。
中国大陸での文化はこういった「取り入れあう」歴史は現代でも続いています。
練習方法ですが 先ずは「燕式平衡」から始めます。
片足立ちになり、両手を左右に開いて伸ばします。
もう片方の足は、最初は平らぐらいでいいでしょう。
横から見ると「T」の字の形のなるようにします。慣れてくると「Y」の字ぐらいになり安定感が増してきます。
飛行機が空中に飛んでいる姿をイメージするといいでしょう。
次に、振り上げ足の強化を図り、着地する足首の筋力UPも大事です。
そして、振り上げ足を空中に放り上げるようにして、「燕式平衡」の状態で左周りにまわる練習をします。
これに慣れてきて、足首の力が自身がついてきたら跳躍した動作をつなげると「旋子」になります。
はじめは人に補助をしてもらうと安全に練習ができると思います。
その動きのイメージは葉が「風に舞うように」
フワリと浮かぶように空中で行えるのがいいといわれます。
どうぞ皆さん「自分自身」をイメージした通りになれるよう頑張って下さい。
近頃は「脳」の研究が盛んですが「中国武術」は「大脳」と「肉体」トレーニングが合わさった究極の21世紀型運動だともいわれています。
先ずは専門にやるならば、中国武術の基礎練習である「武術基本功」は必須です。
中には太極拳のみ、気功のみでもOKですが「体づくり」が出来ていると中国武術運動における武術・太極拳・気功を全部体得出来ます。
練習の進み方ですが「武術基本功」で一通り、基礎ができましたら次は個性・感性・素質で自分にあったものを選ぶと良いでしょう
体質の特徴として、
跳躍技術が得意で身体のしなやかな動きが好きな方は「長拳」
筋肉質でがっちりしたタイプの方は「南拳」
性格が穏やかで柔軟性・バランス感覚の高い方は「太極拳」
を選ぶと良いと思います。
あくまでこれは「傾向」ですのでやはり最終的には「自分が好きなもの」をやると良いでしょう。
いろいろ試しながら見つけていくのも良いと思います。
そして「拳術」をだいぶこなせるようになりましたら次は器械(兵器)の練功へ進みます。
中国武術運動は「健身、修身、防身」の3つの包括が重要で、武芸は「たたかい」を好むのではなく、
自分を活かすため、人を活かすための精神を重視しています。
そして柔軟体操の「圧腿」(あつたい・ヤートゥイ)も大事です。
これはいろいろと方法がありますが非常に簡単なものでは、
何か台などの上に足のかかとを置き、ひざの上から押す(圧力をかける)だけです。
これは「膝の裏側の筋肉」は動かさないと、硬くなってしまいますのでゆっくりと圧力をかけることで伸ばすことができます
特に座っている時間が長い方は時折からだに刺激を与える事も大事です。
この足の柔軟性が向上すると、蹴り技などが可能になります
組み合わせ練習の方法ですが、「武術基本功・ベーシックトレーニング」から
「弾腿衝拳」の方法を紹介します。
「弾腿」とは脚で「弾ける力」で蹴る技「腿法」という意味です。
「衝拳」とは「衝突するような勢いで」拳=パンチを出すという事です。
「組み合わせ」では、このように2つ~3つなどの動作をつないで練習します。
歩いて進みなながら「右拳=パンチ」と「左足のつまさき蹴り」のコンビネーションを行い、これを左右入れ替えながら繰り返します。
そして、武術の競技に関心のある方の為に、
参考までに項目の紹介をしておきます。
(基本的には、本場中国大陸での標準化スタイルに沿っていきます)
先ず競技武術項目ですが、一番注目を集める項目は、やはり、自選競技武術です。
これには、
長拳 南拳 太極拳 刀術 剣術 棍術 槍術
太極剣 南刀 南棍があります。
2008年での北京五輪で開催されたエキシビジョン武術競技大会では、この10種目が行われました。
そして現代でも、このスタイルが維持されています。
その他は、散打:男子3階級、女子3階級の5種目で、合計15種目。
こうなっていった背景ですが元々は、中国武術の競技大会は自選競技が普通であり、
まだ武術の水準が、発展途上の国々などに広めるよう、
世界中に普及させる為に作られたのが規定套路です。
中国武術の国際審判員育成も1986年から始まりました。
現在では、オリンピック項目実現を目指している競技武術界での種目は規定套路は全てジュニア用の育成項目になっています。
16歳以下が、国際第二套路(00年創編)、その他の第一套路(88年創編)、少年規定長拳などです。
そして、武術競技の練習ですが、本場のやり方では、通常は「自選」を中心に行われ、
年齢や、自分の個性の発揮しやすい項目を選び、
競技種目を選択して、競技会に出る人はエントリーをします。
その為に、日本国内で武術競技を志向される方は、今後は、こういった流れがあることを理解した上で、
活動されることを、おすすめします。
その他、様々な伝統項目、伝統太極拳、対練、集体も何らかの形で、競技大会などにエントリーできるようになるでしょう。
中国武術協会、国際武術連合会が今現在目指している2024年からのオリンピック項目実現化では、
より多くの参加者が世界中から集まり、よりたくさんの観客が集まり共に楽しめる大会を目指しています。
これらは世界中へとメディア放送が行われていくのですから、これからは、世間でもより関心が集まることでしょう。
いつまでも皆様の心身の発展を心から願っております。