水辺の鳥

今年12月も今日でおよそ中盤を迎えました。

4年前の大震災のあった、2011年の春に「上海体育学院武術学院」から、我々の「ステイタスアップ」へ向けた活動から4年、2012年の上海国際武術博覧会を皮切りに、2013年香港国際武術大会、

2014年は上海復旦大学武術協会、龍身蛇形太極拳総部にて研修ツアー、そして今年2015年はシンガポール国際武術大会に出場で、

新しく目指した「ステイタスアップ計画」は無事終了し、この4年間は感慨深いものがありました。

2011年の春は大震災の影響で世の中の思潮は不安定になり、私はそういう時こそ長き中国武術界で鍛えられた感覚を発揮し、牽引力を発揮しました。

震災後は私のフィットネスの仕事でも悪影響を蒙り、閉館になってしまったクラブもあって、本当に試練に次ぐ試練の連続になりました。

しかしながら私の家系も今までに大変だった経験があるので、苦労に苦労を重ねるのは慣れてしまっている感覚があるので(笑)

常に「何とかやらねば」と頑張りました。

やはり10年前に他界した父の影響もあったと思います。

父の口癖は「成澤の成るは、家系にゆかりある上杉鷹山の「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」の「成る」なのだ。

そして「三つ子の魂、百まで」と、その2つを自分が小さな子供の頃から聞かされていました。
 
今は亡き父のことを想うと、自分は本当に「父の生まれ変わり」で父がやりたかった、為し得なかったことを自分に託していたことを実感します。

父は中国へ憧れていて、仙人の仙術を身に着けたいと昔言っていました。

自分が中国武術界へ入ったのも、最初は姉と兄が興味を持っていて、そのうち自分も関心を持ち、気付けば自分が本当にその道へ行くようになりました。

一番きつかったのは、やはり10代後半から20代後半の10年だったように思います。

経済的に大変だったし、様々な分野で掛け持ちで、そして中国武術そのものが日本国内での認知度が下がり、

日本の運営組織の「やり方」や「考え方」の問題もあって、これらの影響を受けていた時が一番苦労しました。

そうなると業界の内部そのものも何かしら人間関係がおかしくなり、多くはこの日本国内によくありがちな、

「とにかく自分さえが善ければ良い、人は利用できる者同士メリットがあれば良い」

そういった風潮が出来上がっていきました。


自分は「違う、人は世の為、人の為に尽力すべきで、そうであってはならない」と思っていました。

そして、そうした「独善的で人を利用するだけの考え方」をする人達とは距離を置き、「新しい道を往く」と宣言しました。

当時は「誰かが途中で気付いてくれて、思い直して協力をしてくれる人も出てくれるだろう」

そう思っていましたが、実際は「誰も、協力も励ましてもくれませんでした(笑)」

「結局、人間なんて、そんなもんか」

そんなことを思いましたが、幾度も中国との往来をしている中での経験で、

「日本人の島国根性によくある 限られた数しかない中で、みんなで争うから駄目なんだ」

とすぐに気付き、

私は「新しい武術活動の流れを創ろう」と考え、単独で上海へ行きました。

上海では恩師の老師の皆さんや兄弟子の賈平さん、そしてかつての武術隊での同僚たちが暖かく迎えてくれて、

「日本ではかつての同僚とかが冷たくされて孤立させられたのに、中国では暖かく迎えてくれるんだ・・」

こうして「現代日本社会の問題」の根幹を実感しました。


日本ではラジオ体操的運動での同じ太極拳套路を大勢でやって、新しいことにチャレンジもせず、疑問を感じる「年功序列システム」の維持だけを大勢で大事にすることを相変わらずに行っていました。

私自身はフィットネス界での仕事の中でも同時に感じていたことは、

「本当に心身感覚の鋭い人は、マンネリを嫌い、脳の反射・反応を高める感覚を好む」

「マンネリで心身の活性化になっていない太極拳套路ばかりやっても効果はない」

「自身で太極拳や武術をやっているといいながら生活習慣病になってしまう指導者は不適格」


そう感じていたこともあって「健身気功」項目や「中国武術段位制」のシステムの導入を図り、

「本当の国際武術大会スタイルでの導入を、日本で誰もやらなくても日本でやってやろう」

しかし「時間はかかるかも知れない・・・いや、ここまで来たのだからやるしかない」

そう決意しました。


今は、もう2015年。

随分と時間が経ったな、という実感もありますが、これまでの期間は大変だったけれどもとても有意義で、

嫌な目にも沢山あったけれども、今はこうして充実した武術活動の向上を感じられて、

多くの皆様のご協力に感謝をしています。


そしてこうしたインターネットでのやりとりもできる時代になり、

これからも長く続く世の中でも、

かつてのような日本によくある「疑問を感じる、年功序列システム」を重んじる旧世代思考のやり方では、今後に、この新時代の日本の中で高まるとは考えられないこともあり、

「行動を起こす」ことの重要性を改めて認識します。


来年以降は少しリラックスして、また新しい未来への希望を抱く皆さんが、

もっと上達して、もっと楽しくなれるような、

そんな活動を一緒に頑張っていきたいと思っています。