最近様々な報道形態になり、いろいろなところから情報が入ってきます。

ふと眼についたコラムの中に「仕事が先か、報酬が先か」というものがあり、いくつかの意見が書いてありました。

そして昭和だとか平成だとかの時代で考え方が異なる、というようにありましたが、その通りだと思います。

私自身の経験で想うと今の感覚では「仕事の内容が先で報酬の内容は後」で大丈夫です。

そして「報酬の内容が先でないとやらなかった」あるいは「仕事が先で、後でも報酬は要らない」ということも経験としていくつかありました。

こうした議論は、いろいろと現代日本社会の構造のしくみを理解しておかないと、根本から変わってしまうので、何ひとつ解決には繋がらないものになります。

大事なことの中で株式会社という法人組織の中で仕事をする、というのはそのシステムを知っておくことが必要です。

基本的に多くの企業の金銭での報酬というのは前借り状態のようなかたちが基本、ということを抑えておく必要があります。

ですから「先に報酬を保障してあげるから、その分、必ず利益を上げるのが仕事の基本」という考え方になるのです。

つまりは先のことは誰にも予測ができないから「一応システムとして金銭報酬を用意しますよ」という契約になるのです。

ですから、そうした企業との取引が仕事、と思った方がよいのです。

つまりは経営者は、常にまだ利益が上がるかどうか判らない前に毎年に借金をしてから、そこから支出というもので、

仕入れにお金を払って、人件費という揃える従業員の人数分の予算を確保して払って、入居施設にもお金を払って、光熱費やありとあらゆるものに支出をして、

後で上がった利益から前借りしたお金に利息を足して返して、そこで前借したお金より売り上げが低ければ赤字で売り上げが高ければ黒字ということで、

日本の行政はその企業はすべて黒字にしろ、と求めているしくみ、なのです。

ですから経営者側は払ったお金より少なければ損をすると考えるので、とにかく長い時間を拘束して仕事をさせて利益を上げろ、となってくるのです。

そして従業員側はできるだけ短い時間で帰りたくて、仕事量は疲れるものはやりたくなくて、休日はできるだけ欲しい、と考えて、報酬の金額の価値よりも労働が多いと損だ、と考えるようになるので、そうしたシステムの中で互いのデメリットを議論するのはあまり意味がありません。

つまりは互いのデメリットは嫌でメリットだけ欲しい、と考えて仕事をやれば、うまくいくはずがありません。

私はフィットネスの仕事の基本理念では、「とにかく先にいい仕事をやる」ということをしています。

この仕事もベテランになれば、企業の存在の構造とか社会のしくみを理解して仕事ができるようになります。

私は講演会や演武も含めての武術の仕事では、メリットは先に相手や自分以外に回すようにしています。

デメリットというのは仕事の質が上がると実はあまり出なくなるもので、余裕のない人達が抱えるように感じています。

ですから社会システム上の理想モデルとしては先ず従業員たちが自発的に一生懸命に経営者のために働いて利益を上げて、その効果で経営がうまくいくようになって経営者がお礼をしたくなって従業員にありがとうといって報酬で喜ばせて、もっと楽になれるようにと従業員を増やしたり、施設をよくしたり、というものだと思いますが、

携帯電話、電子メール、飛行機、電車バスの便利な交通機関、24時間営業のコンビニエンスストア、物に溢れかえっている多種多様なお店、業界はすべてライバル競合相手だらけの状況、

一年中冷暖房完備の施設、好む娯楽の内容、グローバリズムやローカリズム、69年前の戦争で310万人の尊い命が犠牲になって、戦後は人口が4000万人増えて、

すべてが複雑化した現代日本社会環境での現代日本人感覚の中では意思の疎通が難しいのが現状だと思います。

ですから私自身の個人的意見ではとにかくすべてが判りやすくシンプルになれるかどうか、しかないだろうと感じています。

私の武術経験で例えると「練功が先か、目標が先か」

というものにも似ていて、かつては競技大会などの「目標が先で、練習、練功が後」ということもありましたし、

実は元々は「武術を行う感覚が大好きなので、練功が先で後に目標ができたらから、目標は後」ということもありました。

今は「練功がすべてに優先して先」になっています。


私のフィットネスの仕事の中ではとにかく「心地良く楽しい時間」の提供を皆さんに行うのが何より先、これを行うのみです。