
多くの日本人たちには、あまり知られることのない本当の「中国武術界」という「世界」があります。
この世界での実際は「仁義:思いやり・人の義:みち」での人間関係重視があってこその世界です。
私は元々は6歳から続けていた剣道少年でありましたが、小学高学年ほどからは、より多くの武器術や投げ技、拳脚があり、年配の先生でも自由自在で神秘性を持つ中国の武術へと憧れを持つようになりました。
初めの武術トレーニングは中学1年生で独学から始まり、やはりどこかで学ぼうと都内にあった健康太極拳教室に入った一員から始まりました。(この縁も未だに続いています)
高校生になり、もっと武術らしい刺激を求め、日本武道館道場での全日本太極拳協会への移籍を経て中国の先生方とのふれあいに始まり、自分の1985年の16歳の上海での武術修行から本格的な武術世界への一員となりました。
私の「上海武術界」へは民間武術家の徐文忠老師の門下に入り、上海体育学院の邱丕相老師の体育学院武術系の主流の一員になりました。
1985年の訪中で自選長拳を学んだ朱多絹老師も元安徽省武術隊の選手でした。
この2つの武術世界は無関係ではなく、後々にとてもとても深い関係と縁になりました。
今現在に上海国際武術博覧会や香港国際武術大会の組織委員を担当することもこの「武術の縁」からによるものです。
徐文忠老師は当時の上海武術界では人徳の素晴らしい名武術家として知られていました。
文化大革命後の上海武術隊、安徽省武術隊の創始期において武術指導を行い名武術士を育成されました。
お嬢様の徐淑貞老師は中国全国での武術大会の審判長を担当され(1970~1980年代の武術大会の審判というのは本当の「武術・武芸の高手での実力者」しかなれませんでした)、現在は安徽省合肥市の武術協会の重鎮です。
当時から安徽省の武術界では徐淑貞老師がボスの存在で、心意六合拳の高手であったご主人の張品元老師が伝統拳の指導でご活躍されていました。
そしてまだ若き楊承冰老師が武術隊で高級教練を担当し、剣術の高手の兄弟子の賈平さんが出て、上海体育学院の邱丕相老師と仲がよく一緒に武術普及に尽力をしていました。
実は亳州での伝統華侘五禽戯を57代薫文煥老師、58代周金鐘老師、修海燕老師から直接学ぶことができたのは賈平さんと安徽省武術協会が私が上海体育学院の健身気功五禽戯の総編を知っていち早く学び、中国人の研究者よりも早く研究を始め普及活動を初めていたことに実は繋がっていました。
現在北京の中国武術協会本部、国際武術連合会での秘書長を務める王楠さんも楊老師の指導があって出ました。
ジェット・リー:李連傑が男性の武術選手で名を上げていた頃での上海武術隊での女子名選手は先日再会できた王金香先生でした。
王先生は1988年に来日され、指導を受け、当時から一緒に助手になって指導に周る生活をしていました。
王先生のお兄様が後に来日された王金良老師です。
そして私の同世代では1986年に男子隊で私は訓練を受けていた時の女子隊での主力選手だった現在上海体育学院武術学院の副教授を務め木蘭拳や健身気功五禽戯の普及で現在は審判員としても活躍している範燕美さんが出ました。
賈平さんと同期では自分が1986年に一緒に練習をしていた現在安徽省武術隊の監督の張祚川さんが出ました。
今現在の上海武術協会での武術副審判は国際套路第二の刀術の示範:モデルを務めた陸松庭くんは安徽省武術隊から上海体育学院に進学し体育学院の武術レベル復活の貢献を果たしました。彼は私の3つ下でとても年も近く仲がよかったです。
盟友の渡辺成人さんは花妙林老師の下、上海復旦大学武術隊の選手で日本人でありながら上海の大学生の武術大会に出場し優勝をしました。私も1989年から花妙林老師にお世話になり、今年からずっと行っていく交流拠点として復旦大学武術協会との学習での提携を実現できました。
当時に知遇を得た楊中平さんは上海体育学院生で武術選手兼コーチでもあり、今現在花老師の最強の助手となった今回から私達の若者へのコーチをして下さるようになった韋剣くんの先生です。
私は2001年に中国本場で身につけてきたスタイルでの日本的感覚で精度を高める研究を行い、現代日本人にありがちなストレス社会から守るために心身感覚の向上を図り、普及していくために横浜武術院を創設しました。
しかし当時は多勢に無勢。
上海へ戻り、上海武術界の皆様からは大いに協力を受けて武術全般、太極拳、健身気功の馬王堆導引術、五禽戯、八段錦、伝統五禽戯、
そして難度競技の練習法、伝統武術競技、中国武術段位制、そして今回の上海浦東地区非物質文化遺産に登録された瞿栄良老師の龍身蛇形太極拳の習得、復旦大学武術協会からの全面バックアップ体制を構築することができました。
思えば、29年前の初訪中で上海を訪れてから、私はいつも同じ一家の一員で過ごさせて頂き、本当にすべてに感謝を思います。
先日の上海では花老師、若き韋老師、王金香老師とずっと話しが尽きませんでした。
私が中国の上海武術界に感謝したいのは、日本にいながらも日本人同士が諍いを起こしたり、官僚・行政や財界・企業体に信頼がおけないのに、
外国でも中国の皆様は快くいつもご協力頂き、武術全般における技能だけでなく幸福感や大きな収穫を得続けられた事実を考えます。
日本人が祖国にいながらも幸せから遠くなるのは、どういうことか、現代日本社会にはびこる問題を自身で完結し、元気になれるためには、何をすればよいか、を10代から問い続け、中国とを往来し、ようやく最近に念願の目標にも辿りつけて、
今また新たな将来に向けたアジア東洋全体での発展、幸福にと繋げられるための日本人の生活にて武術を生かし皆さんが喜んでできる活動をすすめています。
私は、今思うに事実と実際から考えるようにしています。
戦後69年が経ち、多くの辛苦を乗り越えて今日本国内ではみんながみんな頑張っています。
欧米化が普通に浸透し財界や経済界が資本主義的メリット有り無しで物事を考えて、独善的な損得勘定のみですべてを考察して進んでいる現代日本社会の風潮を受けて、
世間では、何かといろいろと中国への批判や不満はあろうかとも思いますが、
やはり、私にとっては偉大な存在で、相互の政府・政財界からの思惑から印象操作される報道が流されるニュースがたくさんあったとしても、
私にとっては長き歴史のうえにあり、これからも末長くいつまでも変わらずに一衣帯水、2000年以上の歴史的交流があり、北東アジアでの繁栄を目指すパートナーであることを続けます。
悪きものは良きものへ改革が大事で、その実行をしていきます。
「武術の縁」「老師・先生の皆様」「朋友・友」そして文化、素朴な交流を行っている普通「世間一般の皆様」
有難う御座います。感謝!