先日に行われた伊勢神宮での式年宮「遷御の儀」をテレビで拝観をしていて気付いたことがありました。

その中に「いつまでも変わらない永遠の姿を目指し、国の繁栄を願う”常若:とこわか”の精神が込められている」とあり、ハッとしました。

昨年から今年と今までに行ってきたすべてのものがまとまってきた実感を思っています。

そしてそれが昨日感じた「常若:とこわかの精神」を尊ぶ、という古くからの古代日本の神事にして大事にしてきたことと一致したことに自分が今までに「何のために何をやっていたか」を一気に悟りました。

実際に何度も足を運んだ中国で感じたことで一番印象的だったのは歴史の長い黄河文明の辺りの河南省や河北省などの地域や三国志、魏の曹操と五禽戯を編み出した華侘、老荘思想の道教の祖である老子と荘子を輩出した土地の、

安徽省亳州市近辺を思い出すと、初夏は清清しかったのですが秋からは土色の景色が広がり砂ほこりっぽい風が吹き、何か寂しい風景だったのを思い出しました。

意外に思ったことは中国大陸は水の質も衛生面でも、日本国内ならどこにでもあるような常緑と水の豊かな地域というのは非常に少ない、ということでした。

秦の始皇帝が「東に長生不老(不老不死)の地があるから調べに行け」と徐福を遣わし日本に辿りついた徐福伝説というものがあります。

始皇帝であってしても、中国は心配の地であり楽園を望んでいた、という事実です。

そして日本に辿りついた徐福が中国に帰らなかった理由は明らかだと思います。

日本は海に囲まれ、人々は穏やかで闘争を好まない民族です。長い歴史的には中国や朝鮮からの渡来人がやって来て、日本地図を見てみれば、おそらく九州、中国、関西、東海地方に多くが訪れ、各地に住み着いて文化の融合、創出があったことを思い出します。

自分は関東人の一人として思い起こせば、中国は遠く、元々あまり縁のない人間でした。

どちらかというと元々中国と関東は鎌倉時代の宋との貿易で往来のあった以外には歴史的な縁がないことに気付きました。

戦国時代に北条早雲の北条家に召抱えられた外朗:ういろうの陳延祐や江戸時代に尾張徳川家に仕えた陳元贇:ちんげんひんがあって、おそらくそういった縁からか愛知県や静岡県の地は武道での関係でも中国との縁が深いのを感じました。

従って伊勢神宮を護るためにも伊賀や甲賀の忍術や柳生の剣術や尾張に伝わる古武道の技などにも古典的中国武術の動作が取り入れられて東海地方には残っていたように感じることがあります。

関東一帯はやはり鹿島や香取などの古武道系の日本剣術が盛んで中国の武術が入る隙がなかったように思えます。そういったものは現代でも同じように感じています。

しかしながら自分は中国に深く入り込み、持ち出せた中で無形財産として今一番重要に感じているのは「養生」の教養だと思います。

日本は衛生面では非常に良いですが、歴史的に中国の伝統医学:中医学の教養での全貌が本格的に入ったことがなく、江戸以降の明治時代からは国家の医学としてはドイツ医学に向かったために中国の養生は最近ようやく専門的に入り始めたという事実でした。

時間がかなりかかりましたが、私のやっているのは中国武術、養生の学識と実践に日本の土地、日本武道の剣術とその護り神である日本神道、そして現代日本医科学の融合が最高の「常若:とこわか」に繋がることを発見しました。

これからの日本は最高の長生不老(不老不死)の地になれることを実感し、日本人であることの恵みに感謝したいと思うのです。




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10月13日(日)港北公会堂で開催致します(東急東横線 大倉山駅下車 徒歩7分)

開場:13:00~ 開演:13:30~