日本の医学について

医学【いがく】

日本で医学という場合,最も広義には,医療の技術へ焦点をあてた医術,倫理性に焦点をあてた医道,および医療のための知識に焦点をあてた医学の三つを含み,ときにこの二つ,あるいは一つを意味する。

最も狭義には3番目の自然科学の一部としての人間生物学を意味する。したがって,それらの間を意味が動くために,なかなか定義が困難である。

外国語では,たとえば英語でいうmedicineは,日本語でいう最も広義の医学にあたり,〈社会の制度的機能の一部として,病気の治療のための理論と実践〉として定義される。

治療医学では病人を治療し,病気を予防し,健康を増進することを研究する学問。

そこで治療とは、病気やけがをなおすこと。病気や症状を治癒あるいは軽快させるための医療行為。

そこで医学は、基礎医学と臨床医学、予防医学として社会医学に大別される。


【基礎医学 きそいがく】

人体の構造・機能についての研究や,臨床についての基礎的研究などを行う医学分野の総称。

解剖学,生理学,生化学,病理学,細菌学(病原微生物学),寄生虫病学,薬理学,血清学,栄養学,衛生学,法医学などに分かれる。

医学の研究や臨床の基礎となる学問。解剖学・生理学・生化学・病理学・微生物学など。


【臨床医学 りんしょういがく】

実地に患者の治療を目的とする医学。内科・外科・小児科・産婦人科をはじめ多数の独立した診療科がある。

患者に接して診断・治療を行う医学分野。

内科,外科,整形外科,小児科,産婦人科,皮膚科,泌尿器科,眼科,耳鼻咽喉科,精神科(神経科),歯科,放射線科,さらに麻酔科,老人病科,形成外科に分かれる。

基礎医学・社会医学に対していう。


【社会医学 しゃかいいがく】

生活環境と健康との関係を研究する医学の一分野。環境医学・公害医学や保健衛生行政なども含まれる

生物としての人間だけでなく,社会的存在としての人間を重視して研究,診療を行う医学。したがってその対象は常に集団であり,諸種の社会階級・階層につき,それぞれ特殊な生活状況と健康状態との関連を検討し,

特に勤労者階層の健康の維持,増進,修復を,医学的および社会的に図ろうとする医学分野である。


~予防医学 よぼういがく~

傷病の発生や悪化を防ぐ医学。治療医学に対して用いられる。環境の整備と体力の鍛練,予防接種などによる特異抵抗力の付与,傷病の早期診断と迅速的確な治療,合併症や後遺症の予防,リハビリテーションなどの諸段階を含む。

治療医学に対して用いられることばで,疾病の予防についての諸問題を扱う医学の一分野。

急性伝染病に対する予防接種,検疫などをはじめ,近年では,成人病,精神・神経病などの慢性変性疾患,産業保健における事故・疾病,および環境破壊による健康障害に対する予防も含まれる。

予防医学は,積極的予防(第一次予防),早期発見・早期治療(第二次予防),および悪化防止と社会復帰(第三次予防)の3段階に分けられる。

第一次予防は,集団レベルすなわち公衆衛生学的な分野であり,第三次予防は臨床医学の領域で,また,第二次予防では両者が協力して行う領域である。


こうして見てみると現代日本社会では一番大事なことは如何に治療医学にお世話にならず、予防医学知識を広め、恒常性においていつも心身が良好で健全な状態を保つことに意識を置くべきである、ということが判ります。