新年度に入り、来週で一ヶ月になります。

新教程を始め、私自身も毎日の指導で久しぶりに楽しく新鮮な感覚があります。

元々自分は初めは13歳から独学、セミナー講習会参加そして独習を経て、組織に入り制定太極拳と長拳一・二・三路を学びました。

次に16歳になり組織を移籍し伝統長拳でもある華拳、査拳などを学び、蟷螂拳、形意拳、対打拳、器械対錬などを来日されていた中国伝統武術家の先生方からの教授を受けました。

そして競技選手としても活動し、中国の専門学校で訓練を受けプロチームでも本場の選手と同様にトレーニングをしてきました。

そして日本国内は当時は東京でチームを発足し、学んだものを後輩に教えて育成し、自分も一緒にトレーニングして切磋琢磨しました。

その後競技選手を育てるコーチ業を数年行いましたが、日本でよく指摘される「表演派思考」の傾向が組織的に強くしていく過程には、私自身の経歴や信念とは合わなくなったので、独自の活動を始めました。

しかし当時2003年以降は中国でもその傾向が強くなり、私自身は健身気功と伝統気功、伝統太極拳にずっと力を入れていました。

日本ではほとんど知られていないことですが、2000年前半から少林寺や香港が伝統武術発展に大会を行うようになり、2007年頃から中国武術協会でもその評価から伝統武術スタイルと高難度競技スタイルとを分けて行うようになりました。

その区分をはっきり考察して高難度競技でのその先の状況を考えて、全体的な意見を取り入れて、現在のスタイルになっています。

現在は伝統武術の各拳種、太極拳も各流派の活性化普及活動が盛んになりました。

そして散打、中国式レスリング、健身気功、そして高難度競技、武術体操になります。

高難度競技は求められる技能の性質上、施設の完備があってこそ始めて成り立つ項目でもあるので各国での協会の経済状態レベルにも関係していきます(高度なビジネス普及能力とも言い換えられると思います)

長く中国と付き合っていれば、知ることですが、中国の組織は政府を見ればそうですが簡単にイエスをノーに変更しますし、ノーをイエスにも変更します。

ですから多くに関係している場合に変化の兆しを見逃してはいけない、ということは常識です。

(現代社会の日本人によくある「ボーっ」としていると、変化が大きくなって気付いた時に「聞いてないよ」で泣き寝入りさせられるはめになります)

ですからいつでも中国との連携をして、日本でもうまくやっていく場合には一番初めの変化の兆しを見逃さず、流れを見極め変化に応ずることが大事です。

これからの流れもそうですが、今の中国での武術界は安泰期に入っています。

(日本の武術界の将来性について今後どうかは、各流派、各組織、各団体、各個人でそれぞれに判断した方がよいと思いますが、世界全体では発展期になっています)

2007年から6年を経て毎日の現場でずっと試行錯誤を繰り返し、朝令暮改を経て完成した今期
からの新教程は将来的にかなり有望なものになれると思います。

武術運動プログラムはどの流派、どの拳種であっても本来どれでも多くの長所があると思います。

しかしながら、それらが現代日本社会状況に相応しく、自由資本主義経済の中でニーズが求められるか、どうかだけなのだと経験的に知っています。

よく見られるのは中国的な、あるいはアメリカ的な優劣合戦を流派ごと、あるいは同門ごとに行い共に発展ができなくしてしまうことです。

そんな中でも私たちは最良主義(最も良い内容で総合的な充実)を重視しています。

私自身は長くフィットネス業界で仕事をしているのでフィットネス界での常識は「プログラム」「カリキュラム」が充実していて、ニーズに求められるものかどうかで優劣判定をすることを知っていたことがよかったと思います。

ですから多くのフィットネスプログラム同様にキャリアやレベルを段階カテゴリーでやっていくシステムを構築できました。

基準としては毎年あるいは半年、数ヶ月ごとに練習レベルを上げていくカテゴリーレベル6のカリキュラムを創編しました。

現在は、カテゴリーレベル1「長拳16式」「長拳20式」とカテゴリーレベル2「長拳18式」を行っています。

伝統拳、器械なしで今のカテゴリーレベル1が初段階教程になります。

今年度からこの技能検定でもあるこの内容を全員にはこのカテゴリー1と2を経て、行ってもらい日本で初めて行っていくこのシステムでのカリキュラムレベルの体得者になれます。

そして段階的の様子を見ながら中段階教程のカテゴリーレベル3「長拳22式」レベル4「長拳28式」 に5月から移ります。

レベル3は先日解説した関節技の逃れ方や極め方になりますので、少しゆっくりとやって武術の用法を行います。

そして高段階教程レベル5「長拳38式」 レベル6「長拳44式」はどんどんできる人といずれはゆっくりとマイペースでと各自のペースでやっていくといいと思います。 

そして中段階以上には対抗性項目も行った方がより武術としての感覚が高まるので秋~冬ぐらいに「武術要素」を重視したい方は体験してみるといいと思います。

太極拳と健身気功、伝統気功項目はその項目の性質上、ゆっくりだんだんと皆さんのゆっくりペースで進展させていきたいと思います。

ひと先ず今年は、皆さんでこのカリキュラムに楽しく練習しながら慣れて体得し、そして今年の競技部を5月には発足していきます。

そしてこの横浜武術院を発足して記念すべき第一期生の誕生のスタートになります。

思うと発足当時よりもこの6年間を経てきた今この瞬間には感慨深いものを感じています。

そして今後は、このプログラム全体をフィットネス業界に売り込むか、あるいは以前2011年に準備して延期していた事業にするか、様子見で行っていきたいと思います。