今現在の現代日本社会ではとても問題の多くが複雑になっている印象をいつも思います。

特に「健康なからだ」という概念では、多種多様な認識が広まり、一般的には身体の具合が悪くなってから考えたり、あるいは身体の具合の悪い人のことを見聞するようになってから「どうしようか」という発想になる傾向が見られます。

私自身のプロセスでは、最初が剣道、そして武術、太極拳、そして健身気功や伝統気功を行うようになり、気功を行ううえで必ず中国医学での養生理論が必要になってきます。

そして現代日本医科学の持つ多くのデータを知ってから、両面合わせて考えるようになると、油断は禁物ですが、

かなりの高い可能性で自らの心身の健全性を実感しながら継続維持することができます。

何故なら伝統中国医学の養生の考え方の立脚地は、いつも「健康状態が健全」でありたいために、「心身が元気な状態」で、それでも多くの気遣いでもあるための、制約や注意事項を長い歴史の中からの統計学と確率論の観点からその知恵を積み重ねて記録し続けてきた経緯から実践を休むことなく繰り返していくという状態から成り立っているものです。

しかしながら現代日本医科学もとても優秀な面があります、それは現代的な病を発した患者さんたちの記録:データの量から分析し、原因や要因の可能性を細胞などのミクロの単位まで調べてあることです。

現代日本医学での考え方の立脚地は、病気になった人の状況や状態を細かく調査し、病の原因であるものを発見したら、その原因を改善したいために手術や薬物投与(使用薬物研究・実験もその一環です)を行い、

時には身体に副作用や若干の不具合を起こしてでも、最も悪性な状態から悪性を取り除くまで、その可能性のための施術を行うものです。

医療の在り方や医師の医療という仕事はこういうことで、この後に各自の持つ回復力や免疫力が働くと治癒という状態を得られる、というものです。

そして環境医学や免疫学は「病気になってしまった人」を多く調査し、その病気になってしまった原因や要因から分析し、

体内で何が起きているか、病気予防の体質にはどういう成分が身体の中に必要か、どのようにして体内の抗体ができるようになるかの環境をシミュレーションを考えてはその予防方法をいろいろと考えて試験し、効果が若干でも出たら、それを紹介する、というものです。

ですから東洋医学的立場と西洋医学的立場というのは、まったく立脚地が異なっていることが解ります。

そして「医学的根拠」という概念は近代日本のドイツ医学を経て現在は米国式医療を取り入れ、その世界での権威の日本医師会などの機関が考えているものが法的に認められた「医学的根拠」と呼ばれているものなので、

彼らが関心持たないものは「医学」として見なさない、という立場だということです。

そして新薬開発という分野があり、これも医療ビジネスに繋がっていて、そこに製薬会社や健康食品会社などが関係している、ということがあります。

こうしてできてしまった日本国内の状況を変えるのは難しく、我々のような東洋医学的見地というものは民間活動としてコツコツと成果を上げて病気になりにくい体質を作り上げて、それを継続維持していける皆さんと一緒に元気で楽しくやっていく、のが一番だと思います。

今現在は私達は日本医学界のデータから見て病気の原因や要因を統計学的に考え、その問題にならない実践方法を行い、

医学的根拠から見ても合致した健康な体質を作るために(本当の意味でのからだづくり)食事、運動、環境などから適したものを選び良質な一定法則:習慣を作り、それを継続する活動を行います。

ですから西洋医学から発展した日本医学を活かして多くのデータからの可能性の確認を行い、もし何か身体に心配が大きかったら病院で調べてもらい、その状態をデータ化してもらいしっかりとした確認機関の場としていれば、今現在は身体のどの部分でも可視化できるようになっているのでそういう意味では安心できる時代になっています。

そして私達の行う東洋医学的養生運動を通じて四季折々の中で現状的身体感覚を毎度毎度確認しておくことができるので、常にその良質な状態を一度知ることが判れば、

その継続維持の連続はさほど難しいことではなくなります。

たとえ組織的、社会構造システム的で医学界同士が折り合いがつかなくとも、我々のような現場主義者では両面の良いものを取り入れることは大いに可能なので、その機能性を発揮できるのは強みだと思っています。

世界保健期間WHOでは「健康」の定義をこういっています。

「健康」とは「肉体的」「精神的」「社会的」に健全で良好な状態であること。


しかしながら昨今の世界中で起きていることの連続を考えてみたり、現代日本社会の風景を眺めてみると、

先ず「社会」が健全なのか、どうか。

その社会で生活を無理にでもさせられていれば「精神」はどうなるのだろうか。

そしてそういう状態に長くいると「肉体的」にはどうなるのだろうか。

日本の医学界もそういう状況を見て何を思うのだろうか。


そんな世の中でも、我々はひと先ず我々の「社会・コミュニティ」の中で「心身共に病気の起こりにくい体質作り」が一番大事でこれを行っているので、

WHOの言う、

「健康」とは「肉体的」「精神的」「社会的」に健全で良好な状態であること。

を堅持してこれからもずっと頑張っていきたいと思うのです。