荀子(じゅんし、紀元前313年? - 紀元前238年?)は、中国の戦国時代末の思想家・儒学者。性悪説。

性悪編では、人間の性を悪と認め、後天的努力(すなわち学問を修めること)によって善へと向かうべきだとした。このような性悪説の立場から、孟子の性善説を荀子は批判した。

修身(身を修む)篇 第二

善事を見た時は必ず慎んでわが身を省察し、不善を見た時には必ず憂え懼れてわが身を反省し、わが身に善のある時はしっかりと保持して自らよしとし、わが身に不善のある時には必ず不潔を感じて自ら憎むべきである。

そこで自分を悪いとして向かってくれる者は自分の師であり、自分を善しとして向かってくれる者は自分の友であり、

自分にへつらう者は自分の賊である。

だから君子は師を尊んで友に親しみ、そしてその賊を極めて憎悪し、徹底的に善を好み諌言を受け入れてよくわが身を戒める。

進歩したくないと思っても、どうして進歩せずにおれようか。

小人はこれと反対である。

乱暴を極めながら他人が自分を非難することを憎み、愚かさを極めながら他人に賢人と思われたいと考え、虎狼のような心、禽獣のような行為でありながらまた他人が自分を賊とすることを憎み、

へつらう者には親しみ強諌する者には遠ざかり、正義の者を笑い者にし、誠実な人を賊だとする。

滅亡したくないと思っても、どうして滅亡せずにおれようか。

善謀にはすべて離れ、悪謀にはすべて従いよる、とあるのはこれをいうのである。