明日から12月、今年2012年 誰でも残り一ヶ月・・

私は一昨日に上野の国立博物館に久しぶりに行き現在行われている「特別展 中国王朝の至宝」を見てきました。

時間に余裕があったので全館を見てきたのですが昨年ぐらいから平成館の一階は日本考古特別展になっていて両方を比べて見てみると日本と中国の歴史的な感覚の違いも感じられることができていいと思いました。

先週は神奈川県立博物館を見て神奈川というよりは武蔵国という関東地方全体での歴史を感じてきて、この一ヶ月の間は日本史における自身の関する再研究の総仕上げを自分なりにしてきました。

歴史に学ぶことはやはり多く、何らかのヒントも必ずあるものです。

小さなことでも自分自身には誰でも歴史が必ずあることだと思います。

昨年の秋の9月には足を負傷して数ヶ月間いろいろと不本意だったこともあり、

今年の自分にとっては小さな歴史的なことだけれども武術暦30周年の記念に頑張ろう、と想っていました。

こうして今年も残りひと月を想うと感慨深く一年間を過ごすことができて良かったと思います。

30年前に武術を始めた1982年当時13歳の時の思い出や出来事のこともたくさん今でも憶えていますし、

20年前の1992年は23歳で当時は全日本の大会が夏に名古屋であって、自分がコーチ兼選手という立場でやっていて対練で初優勝ができた年でした。

そしてその秋に武術の宣伝をしようとあちこちにエキシビジョンで演武に回っていくことを始めた年でもありました。

10年前は武術院を立ち上げて、交流や学習拠点を古巣の上海に戻してから1年めはまだインターネットの普及もなくてなかなかうまく活動が定着せず野外教室やフィットネスに力を入れるようになった試練の始まりの年でした。

中国武術の国際大会の上海国際武術博覧会の組織委員になり、自分の重ねてきた経験で「本場の中国武術界で先ず通用していることが望ましい」ということもあり、上海国際武術博覧会の大会を武術院のメンバーや教え子たちの腕試しの場とするようにしてきました。

そして5年前の2007年の杭州で行われた伝統武術の国際大会で今後は伝統武術ルールに力を入れていくという準備を中国で始まったことを知り、中国武術段位制でも講習と試験を受け合格し、

いち早くそれを察して応対して練習方法もチーム体制も切り替えて日本に相応しいスタイルとして新たなチームづくりを行い始めた年でした。

そこで翌年の2008年の8月から交流演武会を組織し、その伝統武術ルール大会に則した日本版での武術活動を始めたのでした。

(記念すべき一回目の交流会は終わってからの帰り際に数10分の間に凄まじいゲリラ豪雨と落雷攻撃に見舞われ、打ち上げ会ではずぶ濡れ状態になった後でも気合を入れてやった宴会が懐かしいです・・)

そして今年は7月の上海、杭州、マカオ、北京、沈陽、少林寺、武当山、そして先日行われた香港、安徽省の黄山でそれぞれに伝統武術大会が行われ今後の主流がどうなっていくかのイメージが判った方も増えたと思います。

そして10年前から既に準備をしていた上海体育学院で総編されていた導引術の気功体操を取り入れ、

次には健身気功五禽戯ができたことで総編者が友人たちだったのですぐ様に学び取り入れ、そして2007年の秋に亳州を訪問して伝統華侘五禽戯を学び習得して活動に取り入れました。

昨年の春に木蘭拳を取り入れたことで気功でも伝統武術大会にも応対できるようにして生涯学習の楽しみの幅を大きくしました。

そして昨年から今年には陳式太極拳の方でも普及に力を入れて、スタイルもうまくまとまったと思います。

そして自身の武芸の総まとめとして、これからの武術院の活動での研鑽として日本武道への回帰をも図り 中国武術・気功運動を経た体質からこそできる「兵法剣術」をまとめられることができました。

自分の中の何者かにつき動かされてやってきた36年間が、ようやくここでひと段落ができてこの秋はとても不思議な今までにない安堵感を思いました。

「人があてにはならない時代、それならば自身を鍛え、どんなでも七変化できるようになるだけだ・・」

そう想い、ここまではとても長い旅でした。

中国大陸とは27年間の往来の中で時には苦しい修練を経て学び得たものは自分の宝物だと思います。

この30年前から今現在の日本で思い出し、想うことはたくさんあります。

今想うと30年前に武術を行っていた当時40歳ぐらいだった方々が今70歳ぐらいになっています。

30歳だった方々は60歳代、20歳代だった方は50歳代、

そして自分の世代、次の世代・・となっています。

しかし私個人としては一つの歴史的完結を今年は有り難く迎えられました。

2012年は私にとっての一つの終わりの年になり、2013年からまた新しい一歩になっていく感じがしています。

これからは、多くの後進の心ある有能な武芸者たちを育てて日本武道、中国武術をしっかりとその特徴ごとに効能や効果、そして実戦という実践をも使い分けて応用し、

今までになかった存在としてしっかりとした確立を目指し、次世代にも任せられるようにして、

今後の日本の歴史にとっても一番相応しい「和魂漢才」の武術普及を頑張っていきたいと思います。