今年は世界中の国家指導者の交代、あるいは選挙結果で交代が起こる可能性のある年であり、この数年から様々な世界情勢を見ていて思うのは67年間続いた戦後モデルからの脱却をあちこちで図っているのが解ります。

日本でも近いうちに衆議院の解散、総選挙が起こると思いますし、ここ最近はその具体的可能性について動いています。

そういう時期は当然、すべてにおいて影響を受けるようになるので私自身でも常に嫌なとばっちりを受けないように新たな情報や時勢から将来について展望を考えています。

日本の武術界でもこれから5~10年の間はだんだんと変化が出てくると思います。

一つは今年7月に上海で行われた上海国際武術博覧会の会議において本場中国での武術界の目指していく展開についていろいろとお話を伺い、大会期間中でも今は審判長を担当している知人たち関係者に声をかけて聞いてきました。

自分は2007年の8月に今現在の伝統武術ルール体制について知り、既にその応対をよりよい日本人のライフワークに向いた活動の基準に連結させられるようにとずっと研究をしてきました。

7月の上海大会では、その新しくなった伝統武術ルールの大会でいい成績・結果を出すことができてとても大きな自信となりました。

(新しくなった伝統武術ルールにおいては単なる見た目の形の型での競技会ではなく、武術本来の攻防技術がしっかりとできているかどうかを評価していく考え方での大会ルールで対練、散打、推手などの競技会も含んでいます)

帰国してからはもう準備してきた太極拳と健身気功にも力を入れてやっています。

(10月の交流会が終わってからは攻防技法の実践稽古として、散手技術、短兵、木刀における打ち合いの兵法剣術をやっていきます)

今現在の日本国内での活動を見ていると、ずっとこれからも今迄通りのまま、というところや新たな流れを模索しているところ、あるいは新たな勢力というのができていると思います。

しかし本場が今後に力を入れてやっていく方針というのは中国を発祥とする中国武術界ではやっぱりチャンスメイクとかの面で考えればその流れは知っておくと良いと思います。

自分がこの1ヶ月半ぐらいでゆっくり今後の計画を考えてみて感じたのは、日本全体における問題とまったく同じで、

全世代において誰にも公平で有益な発展をと目指していく積極的な新勢力と一部の既得権益にしがみつき、その獲得を考えるだけ方へついて洗脳に近い同調をしてきた人達の旧勢力の消極的なグループと人々の感覚も分かれていくと思います。

私はいくつかの組織を経験し、派閥争いとか勢力争いとか出世するためには何でもやる、というような人達の組織が好きではありませんでした。

私は今でもそうですが、自身でも身内にでも厳しくしなければならない時は厳しく反省もするし、他の組織や別項目でも良いものは良いとして良い面があれば学ぶことをしてきました。

既得権益系組織で良いと思わなかったのは単なるエゴになっている身内びいきの引き倒し、自分たち以外は認めない、排他的な考え方や相手の足を引っ張るようなことばかりをするところです。

しかしある世代人や多くの日本の組織を見ると後者が圧倒的でその属するところに居ればその同じように人間というのは同化していくものです。

自分たちはこれからの新しい時代の流れをいち早く予測し、誰にもチャンスが訪れ、それぞれがいいかたちで展開ができるようにと日々頑張ってやっています。

以前ある国際大会プロデューサーと2009年の9月に中国健身気功博覧会を行った亳州のパーティーで飲む機会があり、

「いろいろと協力するから武術の国際大会を日本・横浜でやる気はありませんか?」と聞いてみたら、

「日本は実力を持っている人は結構いると思うが、観光地としての魅力は大きいと思うけれど国際大会にもあまり出てこないし、大会をやっても人が集まる可能性は低いだろうね」と言われました。

確かに、全体的に見ても日本ではどちらかといえば常に精進を重ね、本場・本物に通じる技の体得、あるいは中国本場の大会で日本人が勝利するということに関心を持って挑むより、あまりよくわからない素人相手に自身の進歩のための努力を怠けてもいられるようなお山の大将を決め込んだほうが楽で良い、と考えている人の方が圧倒的に多いかなと感じています(特に東京~横浜はその傾向が強いと思います)

そして日本の古武道のように他流派とでも一緒に協力し合って、より大きな発展を目指してやっていこうというような考えをして開けている感じの団体も少ないし、団体間にも過去のいがみ合いやしがらみの残っているところのある難しい現実を当時は感じました。

あれから3年、当時よりはいろいろと変化もあり、将来に全くの可能性がないことはない、と今思って考えています。

門戸を開き、小さなところからコツコツやっていき、協力し合えるところとは協力し合って少しずつでも成長と展開を目指して努力をしていきたいと思います。

今の我々の武術活動でも随分とレベルが上がり、上海大会で通用することも証明できたので我々からできる新時代の武術界の構築を頑張ってやっていきたいと思います。