日本の世を見ていて感じることはたくさんあります。

自分が少年の時にも思っていたことですが、今でも思うのは、

この日本では自分の人生の生涯を夢をもって誇りをもって芸道などにおいて一生懸命に生きる、ということには興味がないのだろうか。

若き人間たちはゲーム感覚での遊興と携帯にしか興味がないのだろうか。

中年ぐらいになると、人々は失わせられた時間のことを考えてから、これから有意義に時間を生かすことよりも、

ただ与えられているわずかな時間を貪るような考え方や過ごし方をしてしまっている。


今の日本人たちの多くは誰のために生まれてきて、誰のために死んでいくのだろうか。

あるいは誰のために生きてきて、これからも誰のために生きていくことを感じているのだろうか。

そんなことを考えることがあります。


敗戦国になっても日本の誇りを失わなかった人が自分の子供の頃には大人にもたくさんいた気がします。

ここ最近は特にそんなことをずっと考えていました。

今までもテレビや電車、バスの中までもマスメディアの情報操作に引っかかる人たちが多いのを見て、この国の人間は多くが騙されている、と感じることが多いです。

自分は長き武道と武術の世界にいたことで感性が鋭くなっていたことがよくも悪くもあります。

鋭くなる、ということはどういうことか、といえば、

当然に春夏秋冬、朝昼晩と様々な危機意識を常に持ち続けている感覚だということだと思います。

当たり前のことですが、敵に不意にでも攻められてきて、そのままやられるだけなんていうのは、武芸者には有り得ないことですが、

今の日本の世ではありとあらゆる角度から騙され続け、時間や経済的負担、労力など奪われ続けていると感じています。

今の若い子たちは危ない、更に気付かないうちに視力、聴力、嗅覚、触覚など動物的勘をすべて失いつつあり、

実在しない世界に大人も一緒に引きずり込まれていると思います。

見た目は太平の世の中で自由に見えますが、実際の現実は違う。

気付いていないことも解らない、という現実。

若い世代が心身が不健康になってしまい健康な年配の世代が介護するようになるかも知れない、とかつては冗談めいて言っていたのですが本当になりつつある気がします。

自分は自分の祖先の血を受け継いでこの世に生を受けてきた以上、当たり前のように一生懸命に全うするよう生きていきたいと思います。