長い間に武術における活動をしていると気付くことがあります。

ひとつは日本人にしかわからない「中国武術感覚」があるということです。


これは逆の見方をすればいつでも中国の現地で見ればわかることですが、

中国にも中国人にしかわからない「日本的文化感覚」がある、ということです。

中国大陸の人は応用力はいろいろとうまいと感じています。

知らない人が多いかもしれませんが気付けば日本料理店も空手も剣道も合気道も道場が賑わっています。

それにキックボクシングやグレイシー柔術系総合格闘技も広まってきています。

ヨガもエアロビックダンスエクササイズも当然人気があり、アレンジされたヨガ気功とか中国的ヒップホップ!?なども流行をしています。

ある意味において「こだわり」の感覚意識の違いが良い面・悪い面に現れていると思います。

日本においてでは「こだわり」が良い面に繋がり発展になっているかどうか、といろいろと考えさせられることが多いです。

かつてある中国人の指導者に「日本では日本人にしかわからない感覚があって、それを理解してやらなければうまくいくことはない」と言ったことがあります。

そうすると「それは中国人を差別しているのですか」という相手は反論の感じになってしまい

「いやそういう意味ではなく、生活リズムや教育方針や様々な部分まで感じ方において考慮して工夫をしなければならない」と言っても「何だやっぱり差別をしている・・」そんなことがありました。


日本の既成団体のいくつかはどちらかといえば日本国民全体に向けた健全な精神性を持つスポーツ団体という感じではなく太極拳を利用した党利・党略重視において活動する政党・政治団体という印象を受け取れるところが多いです。


彼らと話をしても先ほどの中国人指導者と同じような受け答え方になってしまうので、これは根本的な考え方の立場が違い過ぎて噛み合うことはないな、という感覚になりました。

それから私は日本人のライフワークに合ったスタイルを試行錯誤をずっと繰り返し工夫してここまで来て、それぞれの身体・精神感覚を幸福に向上させられるためにも、誰であっても気軽に行ってもらえるような草の根活動からやり直しました。

最近いろいろとあちこちでの活動での話を聞くと

「最初から自分が言い続けてきたことばかりではないか、否定したり批判していたくせに何を今更・・」

と言いたくなることがたくさんありますが、日本によくある、

「真剣に考えて実行するまでのタイム・ラグ:時差が大きかっただけだ」と認識しています。

でも私にとって心強いのは、その長かったタイム・ラグの中で現場に学び培ったものが今しっかりとあるからだと感じています。

これからも日本人のための「中国武術感覚」を大事にしていきたいのですが更なる発展を目指すためには、

日本における武道として高めていくためには日本古来の守り神である「天照大神」を祀る原則を行うことや、

書道や茶の湯のような文化活動にしていくには儒学や仏教の禅の精神を重視して活動に取り入れていくか、とも思います。

しかしひいては特に何も取り入れずに今までのようにただ自然体でありのまま、が良いのか・・

いろいろと思案のしどころが多いです・・