世間ではやっぱり震災から一年が過ぎ、その特集が多くなるので私自身も必然的に一年前を思い出すことが多くなりました。

そこで重要だと思ったのは「動物本能」です。

中国武術は一番その感覚を高めるのに向いていると思います。

ヨガはやっぱりおそらくインドの風土に沿った穏やかな風や自然と向かい合ったヒンズー教的感覚なのだと思います。

中国は雑多で慌しいところや広大な大陸があり、脳感覚の維持や応用力の高めていく文化意識を持っていると思います。

武術の拳種に虎、猿などの俊敏な動物や感覚機能の優れた鳥類:鷹、鶴、燕などの動きから取り入れた技がいろいろとあります。

これらはただのかたちの真似をしているのではなく、「模倣:そのものになる」ということが目的です。

私は日常で見かける「猫」や「鷺」「鳶」そして後一ヶ月もすればやってくるであろう「燕」などの動きをよく観察して勉強しています。

動物は危機に陥った時には 闘うか、逃げるかのどちらかしかありません。それができない場合は「死」が待つのみです。

つまり究極的な「生きる」ための術、とも言えると思います。

猫の持つ感覚的な危機意識のあり方とか、鳶の動態視力、鷺の距離感を保つ感覚や燕の空中バランスは素晴らしいものを感じさせてくれます。

これを武術用語では霊活性というのですが、まさしく中国武術ではこの「霊活性」を身につけることにあるのだとも言えると思います。

震災当日の時(あるいはちょっと前)から私はこの「霊活性」がすべてに生きているのを実感しました。

より意識的になった分、意外だったのですが自分が武術を選んだことが判りました。

都会では特に世間に大量に流されている、音声や色合い、誇大表現な感覚に不快を持つことがあるのですが、単にそれは「不穏」と不自然さを本能で感じたことだと思います。

今の世は意識的なのかどうかは判りませんが、感覚を鈍らされるものが多いのでそれらを避けて自身の良質な生命力感覚を護るための守衛意識が重要に感じています。