今年は4月下旬から5月と9月の2回中国に行ってきました。

昨年の上海ではバブルがはじけて少しやけっぱちに見えた気がしましたが

今年の印象は完全に立ち直っている感じがしました。

それにいつも中国で感じるのは「活気」のすごさにつきます。

中国を知っている人は判りますが

運動の歴史、食品の豊富さからくる食文化(漢方薬や酒文化)、生活の大らかさからくる前向きな姿勢。

感じると、日本の食文化はまた別のスタイルとして素晴らしいのですが 

そのためか運動文化が育っていなかったのを残念に思います。

(あるいは農業が運動の代わりだったのかも知れません)


そして日本の武道も素晴らしいものがいくつかありますが

「運動」や「体育」というよりは「武技」に重点を置いているので勝負における技術だと思います。


中国武術の運動文化は長い歴史に裏付けられていることでわかりますが、

筋肉と骨の強化、五臓六腑の活性方法(結果として全身の血行促進)精神集中力の向上、

そして攻防技術、人的交流のコミュニケーション文化が包括して形成されている、と思います。


残念なのは、まだ日本で多くはこれらが包括的に形成できていない現実があって、

運動の流行はアメリカ経由のヨガエクササイズブームに流れてしまった感があります。

(しかし、アメリカというのは、どこかからネタを仕入れてアレンジして

付加価値を上げて高く売るのが得意・・これが日本のビジネス界の手本でもありますが、もう卒業した方がいいと思います)


昨年の秋から、日本も巻き込まれた不景気を達観しながら、

自発的脱出のできない日本人気質を思いました。


日本は島国根性のせいか、

調子に乗っている時と不景気など経済の不調な時の落差が酷すぎるのを想います。

ずっとこれらをよく考えていて思ったのは、先ず日本人の世代間思考を分析する必要があると思います。

日本の敗戦が1945年夏、

64歳の方は戦後すぐの生まれであり、第一次ベビーブーム・団塊の世代とも呼ばれ 

戦後の高度経済成長を支えて来た世代の皆さんです。

(一時期2007年問題なんていわれたのは、この年代の皆さんの定年退職のことでした)

そして東西冷戦の中で資本主義と共産主義との対立で世界を考えさせられてきました。

この世代の皆さんはある意味では日本経済を世界経済2位となるまで押し上げましたが、

その反面アジアとの「文化交流」は政治的問題もあってうまくいかず、

むしろアメリカに好意を持ち、

専門分野の「学問」を自発的自由にできる経験が少なかった印象を持ちます。


そこから10年下の1955年の頃の世代の方々は前の代のやり方や考え方を引継ぎ今日に来ています。


私の世代、40代はある種いつも前例を引き継がされること善しとして教え込まれましたが、

ここらで考え方は分かれ始めたと思います。

寄らば大樹の陰、長いものには巻かれろ、人を蹴落としても自分が入り込もうとする考え方、

などに影響を受けている代です。

(言葉と行動が一致せず、印象としてはお金と出世と名誉をしがみついてでも欲しがります)


私はこれが嫌いで、独立した意識を大事にしてきました。

ですから僕らの世代の8割ぐらいは、

圧倒的多数に着く人が多く(本人は習慣で都合的に無意識でもやっている)

所謂個性の育てられなかった、よくある「その他大勢の一人」が多いです。


群れて自由がないよりは、一匹狼で自由を選ぶか、そんな世代だと思います。

私は、人間は生まれる時代は選べないが、生き方は選べる、そう考えてきました。


自分は何回も中国へ渡り、

一生懸命に勉強・トレーニングしてきました(それは今でも続いていて、人生は一生が勉強です)

感じたのは、日本の大学生活にみられるような

お遊びで学校へ行くような甘さは中国にありませんでした。

日本に帰ってくると何のための学校なのかと、頼りない連中に辟易していたのを思い出します。


僕らの下の30代はこのネット社会の隆盛で会社を興したりして活躍しているようにも感じています、

あるいは生ぬるい生活などがより発展していて贅沢慣れでとてもだらしない人も感じます。


今の20代の人は一生懸命に考えて行動しているか、

どうかそれはこれからの結果で見えてくるでしょう。

こうして世代的に見る中で感じるのは「健康」という学問を真剣に行っていたり、

しっかりとからだのことを勉強して鍛えて生活をしている感覚を知っている人は

とても少ない、ということです。


医療面のできないことを理由に、

ビジネスとしてのテクニックを使い、効果があるか、どうかわからない物を

誇大広告で宣伝する方法だったり、全世代的に考えれば高度経済成長的な「何でもあり」方法で受け継ぎ、

寄らば大樹の陰的に多くのセールスマンが働いて

「こんなもの」自分は買わない、と思いながら販売員が成績を上げる。


これに世界中の競争力(特にアジア)が加わっているのに、

不況が脱出できる訳がない、しかしそれずら気付いていない現実を思います。

それにとにかく不健康な人が増えたと思います。

頑張って年収をいくら稼いでも晩年は自分の医療費になるのかも知れない人が多いことを思います。

考える余裕がないから、ヘルシ-とか健康食品なんて書いてあれば

本当かどうなのか感じるゆとりもないから不健康な人はすぐ飛びついて、

健康産業のビジネス戦略にはまり貢献することになります。

(考えると、アメリカの原料と中国の食材を加工して 日本の会社のアイデアで商品化されているものが多くあって、

それらが からだにいいかは疑問です、からだに害はない、というのと からだに良いは全く別です)


職場のフィットネスクラブは最近メチャクチャでポリシーがなく、

何が「フィットネス」なんだかわからなくなってきています。

最近スポーツクラブのあるプログラムで連想したのは

ジュリアナ世代の彷彿させる女の人たちが首と腰を振り回して

狂うように踊っている姿を見ながら「これが日本なのか」と不思議に思いました。

(私は本人がいいなら それでいい、というほったらかしの姿勢より いろいろと今後を考えると懸念を感じるのです)


運動というものは、ただからだを動かして汗をかけばいい、というものではないです。


巷には、健康食品やヘルシーとかたくさんあって運動もいっぱいある。

しかしながら毎日あちこちで自殺する人が後を絶たず、報道を見れば若者に広まる薬物汚染、

そして流行性感冒・インフルエンザにかかる子供も多く、学級閉鎖になる現実。

30~40代にはメタボリック症候群の人が多いといい、

年配の方々の話しを聞けば 誰々が病気になったとか 死んだとか、自分はもう駄目だとか 

こういった話をいつも繰り返していて 

聞いている人の気持ちが病んできそうになっている現実を見ています。

本当にこれらのものがあって健康になれるものなら、

逆に世の中のストレスは減り、健康な人が増え、病気は減るはずです。

今はかえって増えている現実はどうか。


もっとアジア人なんだから

アジアの文化を学んで「なんちゃって系」や「いい加減」の中途半端で終わらないで

もっと時間をかけて真剣にやろう、と世にいいたいです。


不真面目で、身体的に不健康で精神的に不健全な人間にできるのは何か。


このままダラダラと人を巻き込んで「不景気」な空気で暮らさず、

しっかりと健康な生活

(正しい食事・疲労を取る睡眠・気晴らしや鬱憤晴らしではなく、理に適っていて効果の大きい体育運動)

をして、

健康になる人を身近から増やして、

会うだけで清々しくなる人間たちに正しい仕事を任せて 

そこから景気が良くなるものだと考えています。


人間には爽やかな「活気」が大事です。


私が人生のお手本として尊敬している、華侘五禽戯 第57代伝人 薫文煥老師(90歳)
http://www.youtube.com/watch?v=tuNsMnFOENk