かつて2001年の夏にアメリカに1ヶ月行っていたことがあります。
その目的は映画少林寺で有名な胡堅強先生を訪ねて学び、
そのままアメリカでの普及具合や武術事情を見て、フロリダで行われた全米武術選手権大会を見てきました。
アメリカではとても武術が人気で台湾・香港・大陸の武術、気功や太極拳、散打に推手など
バラエティーに富んだ内容でとても面白かったです。
帰りにサンフランシスコのチャイナタウンやゴールデンゲートブリッジを見て、
グレイハウンドというバスに乗ってロスアンゼルスに出てきました。
ロスではベニスという街に滞在しました。すぐ近くにゴールドジムという大きなスポーツクラブがあり、
そこでフィットネスプログラムをたくさん受けて勉強してきました。
その時にはもうヨガブームも最盛期を過ぎた頃で、
オリエンタルエクササイズという気功のような太極拳のようなヨガのプログラムや
タエ・ボー(ビリーズブートキャンプの原型)空手、ものすごいハードなエアロビックダンス+ステップでした。
当時の日本はまだエアロビックダンス、ステップ、ストレッチ、筋トレのプログラムばかりが主流で、
少し陰りが出ていた頃で、
これらを見ながら、いずれヨガもこれらも全部日本に来るな と準備をしていました。
日本では案の定2003~04年頃にやってきて
爆発的なアメリカンスタイルヨガエクササイズが大流行して今日があります(もう既に飽和気味ですが)
しかし予想外だったのは、日本ではそこで止まり
気功や太極拳、カンフー(武術)などの中国の運動にはあまり関心が行かず、
ピラティス(マシンを使うもの)パーソナルトレーニングやストレッチ
ヒップホップなどのダンス系や今流行っているベリーダンスなどの種目がヒットしました。
このようになった理由をここ数年考えていました。
先ずアメリカン・ヨガは何も知らなくともストレッチ感覚で出来て、パワーヨガ系は+筋トレを含み、
リラクゼーションの流れが あまり深く考えることなくできるのが 現代日本人にピッタリだったということです。
そしてエアロビックダンスのインストラクターもベテランたちが転向するのに良い機会で、
アレンジ(パクリ!?)が得意な方々にはとても大きなチャンスになりました。
太極拳は静かな中でじっくり一人で考えて自分に向かい合い 身体を制御し、
それを自己表現していくことのできる人は日本人(長く全体主義思想教育を受けてきたので、
個人や自我の意識を育てる訓練を経験できなかった)では苦手で少なく、
静かな環境だとかえって落ち着きがなくなるような人も多くある傾向を感じます。
それに東洋哲学や思想、漢字文化の苦手な人も多く思います(カタカナの方が理由はなくとも簡単で近づきやすいようです)
(つまりは、文化も思想が良くわからなくとも、先の事は考えず とりあえずは今が大事で、
ハイテンションな曲に載せられて、みんなで揃って意味はなくとも簡単な動作で汗かいてホイ!
というのが好き=これが現代のフィットネスの良くも悪くもあることだと思います)
時々感じるのは、もう日本人の思想は他人を思いやり、過去に学び
将来を考えて今を生きるアジアの思想は少なくなり
自己満足中心的で、将来や先の事は考えられないような欧米人的な感覚の方が多くなったようです。
その中でも中高年(私も含んでいます)の方でも自分の行う運動に自信が付いて、
より活力の高まって 以前より見違えるようになった方と
相変わらずに流行に乗っているだけの方とは
3年もすると見た目で表情や顔つきでその効果ははっきり判ります。
それに太極拳が今一つ伸びなかった理由については、
やっぱり流派や団体でスタイルが異なり、それをヨガのようなヒンズー経的精神で
大らかに受け入れることができず、
自分たちの「エゴ」が目だってしまい共存共栄が同じ項目内でも出来なかったことも関連するでしょう。
(みすみす大きなチャンスを逃しましたね)
政治経済的な流れもあって、
武術もアメリカンスタイル(ビジネスモデル)されてから日本で今後やってきて流行するように感じています。
(近くて遠い中国、遠くて近いアメリカ)
私自身のやり方ではどのスタイルのヨガでもストレッチ系体操でもエアロビックダンスでも、
筋力アップ系のレッスンでも前後のプログラムの流れでふさわしい内容を決め、行ってきたので
参加者も前後ともうまく流れに乗り、クラブ内ではうまくいっていると思います。
(でも人によっては私の話がアジア至上主義に感じるらしく、苦手に見える方も多いです・・
実は今アメリカの医科学を支えているヘルス・サイエンスという分野では
中国の陰陽五行を研究しているというこの事実・・これもいずれカタカナになってやってきたら当たるのだろうな)
これからはようやく秋の深まる頃からは景気が回復してくると思いますが、今回の不況の反省を忘れずに、
これからも頑張っていきたいと思います。