今や日本でも認知が高くなった中国武術、まだまだ実際に触れる機会が少ないこともあるかと思います。

その中国武術の特徴の中での「強さ」「気」について お話したいと思います。

時々よく質問にあるのが

中国武術はプロレスや総合格闘技より強いですか、とか 気で相手を飛ばせますか、とか聞く方がいます。

中国武術の歴史は長く、あくまで素朴な原点(文化)を大事にしています。

先ず「強さ」とは、

誰かに闘いを挑み、勝ちだけを求めるためにするのではなく、

人間を傷つけることの為に技を身に付けるのではありません。

精神と肉体の強度を上げる、

これは自分自身の心を守り、日常生活がよりよく活き活きと過ごすための内臓を活性化し、

骨を丈夫にし、筋肉と関節が常に良好に稼動できるようすることです。

そして大切なのは脳のはたらきが活性化、

つまりは記憶力、想像力、実行のための判断力が鈍らないことに尽きます。

これらははたらきが悪くなれば、生活の全てに影響が出ます。


そこから感じれば「宝物」の存在であることが解ると思います。

「気」とは、

本来素朴な存在を複雑に判りにくくしている理論の展開をするものを見ますが、

人間は生まれながらに同じ構造をしています。

超常現象的なものにしたり神秘主義化する表現は迷わせ惑わせる要因になるだけです。 


気と呼ばれるものは、

1空気 2、息(呼気吸気=呼吸) 3、心のはたらき 

4、天気 5、おくりもの(送り合えるエネルギー:気遣いの気)といえます。

その相互的な「気力」をいかに意識的(あくまで自発的意識)に高めるか、

という具体的な方法・手段・術(すべ)です。

ですからあまりにも不自然であったり、

不快な印象や、心地良くない雰囲気が出てくることはない、と理解できます。


成立の中では、

古代シャーマニズムとしての「舞い」から始まり「呼吸法」「格闘術」「武器術」「健康体操」
「運動療法」「レクリエーション」「肉体強化による比べ合い」という

素朴な原点から一つの分野の中で集約してきました。

「自己実現(表現)方法」から人の為に役立つはたらきへと進化させる、これが伝承ということがいえると思います。

最近はパフォーマンスやイリュージョンの面ばかりを扱うように感じますが、

一番大切なのは、日々の具体的な実用化に生かされることが重要だと思っています。

「健全な精神は、健全な肉体に宿る」というのは真実です。

「不健全な精神なら、不健全な身体になる」このほうが理解しやすいと思います。

今や日本国家の基盤であり、政治経済を動かす中枢が病んでいるのに 気遣いをしています。

日本は中国から文化を取り入れ発展させてきました。

武術もいずれそのように発展させていきたいと思います。

素朴な「強さ」と「気」を合わせて「強気」です。

物事の多くは「強み」から創られてくるものです、「弱み」で何かを達成するのは難しいことでしょう。


今日は春節です。

「立春大吉」

健全な強気で今年一年間を良くなるようにするために 努力していきたいと思います。