先生は「気」を出せますか?
時々よくこういった質問を受けます。
やっぱりメディアの影響というのは大きいと思います。
その為に話し始めるとそこからすごい長さの説明をしなければならない羽目になります。
大体皆さんのもたれているイメージはテレビで人を揺り動かしたり、
大きな声を出して距離をおいた人を転倒させたりする、という類です。
私はこういう場合は 気が利く、という言葉で使われる「気」の意味でしょう。と答えています。
相手はその人の求める「願望の気持ち」の「気」に応えて「気を利かして動いてくれる」
あるいは望んだ動作を自発的に気を利かして行ってくれる、というのが的確な表現だと思います。
日本ではある一時期、超常現象みたいなものに憧れていたように思います。
それは1945年の夏に敗戦という形における時代を迎えたということで国家も信じられなくて、
イデオロギーを含む 思想や哲学も何も信じられなくて、
人も信じられなくなり、自分も信じられなくなってきたから、
何かそういった信じ難いような事を言う、強いエネルギーや現象に憧れを持つようになっていったのだと思います。
「数は力」といった言葉が流行り、
何でも多くなればそれを正当化できる、そんな風潮や傾向になっていったのでしょう。
時間が過ぎてみれば、物事は全て解ります。
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ちなみに気功について、というのを以前メルマガに書いたのですが、それを参考のために記しておきます。
「気功」について、
そもそも、特徴として中国大陸で発達した文化は多方面において、多種多様に発展していきます。
本来は「気功」という名も、人間の「気:生体エネルギー」
「お天気、空気(外気:酸素・二酸化炭素)(内気:身体内における生体エネルギー)
やる気、勇気、元気=原気」の 「功:トレーニング方法」という意味で用いており、
これは、健康体操、メンタル・トレーニング、芸能、医療方面に到るまで、かなり広い範囲にまで及びます。
中でも、硬気功のように、肉体の強度を高め、それを人々に見せることを職業にする、大道芸化したものまであります。
「気功」という「言葉」は1970年頃から頻繁に使われ、日本でも、その頃から関心がもたれ始めました。
中には、傾向として「神秘主義的」なものとして扱われ、
本来の形とは違う姿になってしまったものがかなり多く見られます。
これは、中国では歴史的に信仰や宗教が禁じられる時代・時期などがあったために、
それにとって変わる存在になってしまったようです。
一時期の日本でもそうですが、
時代や社会が「不安定化」すると、何か「とてつもない力」に憧れるようになり、
それを求めようとする動き(あるいは、その力を持っていると言い出す人)が出てきます。
言動と実際に行われる行動は一致しなければなりません。
これよりも、もっと以前では、「導引」あるいは「行気」「坐忘」と呼んでいました。
中華人民共和国は「文化大革命」の影響もあり、一時はその活動や行為そのものを、国が禁止した時代がありました。
ですから、優れた達人:マスターは台湾や香港、東南アジア方面に脱出し、
アメリカやイギリスなどの海外でその活動をするようになります。
近年中華人民共和国では「健身気功」という名前に変え、
国家体育健身気功管理中心を設立し、
「易筋経」「八段錦」「六字訣」「五禽戯」を創編しました。
元々のルーツですが伝説としては、
「易筋経」は「少林寺」に「禅」を伝えたインド僧「達磨大師」が「座禅:坐忘」を伝え、
更に疲れた肉体をほぐす技術である「行気:伸展運動」としての「ヨガ」を教えたそうです。
「八段錦」は、元々は「易筋経十二段錦」と呼ばれるようになった運動プログラムを短くしたもので、
拳での突き技:パンチの練習を取り入れ「武八段錦」と呼びました。
それが、後に農機具から発達した武具を用いた「少林武術」になったといいます。
五禽戯は「華陀 ~208年」が創始し、虎・鹿・熊・猿・鳥の動きを取り入れた運動で、
後に様々な中国武術の象形拳のルーツになったトレーニング方法です。
http://jp.youtube.com/watch?v=ltH2PHMsFyI
http://jp.youtube.com/watch?v=qHrVbq_X_Ng&feature=related
http://ameblo.jp/yokohamabujutuin/entry-10056458982.html
歴史的な流れでは、前漢時代にはすでに行われていたという、
中国湖南省出土の「馬王堆導引図」が全ての運動
(自発動功:自発的に自分から行う健全な精神と肉体を築く効能・効果のある動作)
として気功のルーツになっているといいます。
「導引」とは、「導気令和、引体令柔」の頭文字をとったところから来ており、
訳せば、
人体は「気:意識」を「導く方法」を行うことで、「和む」ようになり、
身体を引き伸ばすことで、身体は「柔らかくすること」が出来るようになる、というものです。
現在、日本でもアメリカンスタイル経由の「ヨガ」ブームが起きていますが、
実は「ヨガ」という名前は、「つなぐこと」という意味の言葉からきています。
身体の不調は、体内循環の巡りが悪くなることが「病気」の根本として考え、
様々なポーズをとり、維持することで関節と筋肉を「つなぎ直し」
意識した「呼吸」をすることにより、血液中の酸素を増やすことで大脳のはたらきを向上させるのです。
その体内循環の流れの中に含まれる「エネルギー」をヨガでは「プラーナ」と呼び、導引では「気」といったのです。
「現代医科学」では、血液中に含まれる「赤血球」の中の「ヘモグロビン」が「酸素」を受け取り、
運動による体内刺激を受けることでリンパの流れが活性化される、というのです。
結果としては、同じことを言っております。
時に、言葉は違う単語により語弊が生まれますが、
人間に備わった機能は誰しも同じであり、
人間の体は、本人の意志や努力でそれからのすべてが作られていくものであります。
ですから、食事などもそうですが、本当に「身体にい「良いもの」は、
名前が有名だからとか、誰かがやっているから、選択するのではなく、
自分の意志で「良いもの」を見つけ出す「選択能力」を高め、
日々努力することが最も重要なことです。
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