現代人の生活において、とても大事なことですが、如何に心身を豊かにして生きていくかが未来に向ける生き甲斐につながっていくと思います。

その中で大切なのは楽しませてくれる文化芸術の世界があってこそ充実させられるのです。



中国武術運動(気功 太極拳を含む)には古代の中国大陸で育まれてきた皆さんたちの4千年間の歴史と

現在13億人いる生き抜いてきた処世術が込められ、その文化気質が深く溶け込んでいます。



人間の生活の中で何があっても一番大事なことであげられるのは、先ず人それぞれの健康維持であり、

なおかつ精神と肉体的に自ら丈夫になっていくための「健身武術」

自衛の手段、技術を行う「実用武術」 

そしてそれぞれの持つ美学を競うことで、華やかさを追求する「競技武術」に分類できます。



我々の活動の割合では健身武術としてが5、実用武術としてが3、競技武術を2、という配分で行っています。

これは団体であっても個人個人でもその比率は異なることだと思いますし、時代によっても状況が変わります(もし戦乱の世になったら実用武術の比率が圧倒的にアップすることになるでしょう)

その中でやっぱり目的や目標、意義をしっかりとするために信念:ポリシーは具体的で明確にしていくことが望ましいと思います。


そして更にこの中に「武技 武戯 武舞」の三要素を含みます。

「武技」は拳術だけでなく、

器械・刀剣棍槍、他様々な伝統兵器における自衛のための攻防技術の制御能力を高めること、


複雑になっていく世の人間関係の中でも精神的衛生汚染からの要素を取り除き 


利他共に良い方向へ持っていくための精神力強化にも役立てられます。



「武戯」はレクリエーションとしての大事な要素です。共同感覚を持つ人達との交流はもちろんのこと、


異国間交流などにおいても心身共に鍛錬している者同士では意志の通りも順調で良好に行えるものです。



そして「武舞」

これは広い範囲で歴史は長くあります。

「舞う」という概念は、古くは古代シャーマニズムに通じ 


日本でも文化本質的な特徴の面からみれば夏の盆踊りのような感覚もあり、


人々が感服をする立派な技能を持つ規範やお手本となるカリスマが擁立され、


共に身体を動かすことで共通認識をより深めながら、力強い存在証明の一体感を高めることができます。

その後は現代までに創造されてきた中国各地の劇(京劇、川劇)などにも代表される舞台芸術として、

あるいは最近では娯楽としてのアニメーションを含む映画も入ると思います。

そして近年では競技会もその一要素を持っています。


こうした中国の歴史の中で、それぞれの時代での必要性と発展があり、今日に至ります。

現在 世界中ではより通信・通商・通行の面では非常に便利になり物質的にはとても豊かになりました。

しかし心身についてでは、その反面 自分のための時間は削られ、健康への不安や心配事も大きくなり、


人と人との連係はないがしろにされ易く、人間不信をも招く結果にもなりました。



ここ数年アメリカにおける中国武術・カンフーの普及を見て気付いたことですが、


歴史は短い中で 世界中の文化を吸収してきて 究極的な自由主義経済中心の考え方で発展した国で、


コンピューターにできないもの、お金で買えないもの、自分の心から得られる大きな満足を求め続けて「武術」に辿り付いた理由が解かります。

政治経済的な政策も含め 時の流れの中でアメリカで成功したものは、

必ずといっていいほど日本に定着します。



これからの日本社会でも多くの方々に、

より充実したライフワークに中国武術の効果は重要になってくるでしょう。

その為の指針をいつもながらしっかりとして具体的な活動を効率よく展開していきたいと思っています。