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北京武術大会での袁暁超の長拳がアップされました。
彼は毎年大会ごとに套路を変えてきますが 今回の套路は
山西省の伝統拳術の査拳、弾腿(腿拳)の特徴や風格が備えられて 跳躍難度連接着地まで非常に見事です。
「その人」を見れば、その人の師が判る、ともいいます。
やはり山西省太原市の名コーチの龐林太先生の指導と他に真似のできない確立された伝統的なトレーニングメソッドが素晴らしく
以前は女性では王冬蓮 陳鳳平 今は日本でも活動している名将栗小平さんをはじめ男子では文喜太 馬威 原文慶や袁新東を輩出した 30年近くその高い実力を誇る名門チームだけあって
安定した実力を今までに制して来たアジア大会に続く今北京大会でも発しています。
山西省は土地的な環境条件が良いということでなく、
純粋に武術に打ち込む情熱の歴史ある土壌が名手を生み出すきっかけになっているのでしょう(やっぱり大切なのは「人」)
この北京大会ではアメリカや南米の実力のあるチームのエントリーがなく(おそらく受け付けなかったのだと思います、アジアでは韓国が出場していません)
そのこと故に出場した8種目は当然のことながら全てが金メダルを獲得、
それ以外の中国がエントリーをしなかった7種目ではロシア 香港、マカオ フィリピン インドネシア イランが金メダルを獲得しました。
それに近頃は発展する世界の武術界と比べて、日本における武術界(競技界も)の風潮や傾向として思うのは、いつも組織内における内向的な活動の印象を相変わらずに感じます。
例としては90年に発表された国際套路第一の時はずっとそればっかりで、第二が発表されたら、第二套路ばっかり 本質的な実力:功夫を身に着けることよりも、ものめずらしさ・見た目の格好良さ ばかり先行に求めているように見えました。
それに何かその時々の流行ばかりに大勢が風見鶏の如く反応し(赤信号みんなで渡れば怖くない的発想) 中国の名門国内チーム(山西省 安徽省 山東省 浙江省 陝西省)のような独自に10年単位などにおける長期的なプロジェクトを立てているチームはとても少なく
本来は難しくない自選套路でも動作選択能力と戦略と計画が見えないために何がやりたいかを感じられない、と思いました。
これは明らかに「武術」としての思考・哲学が稚拙であり根本としてしっかりしていないことの表れです。
我々のチームでは02年から毎年上海と安徽省に連係し交流しながらアドバイスを頂き
日ごろの武術活動の本質と理念を競技だけに偏ったりしないように考え 毎年トレーニング方法を工夫して現在まで来ました。
日本におけるスポーツ活動の一番大事なことは
とにかく運営基盤がしっかりとして 流行などにブレない環境を作ることが最も重要だと思っています。
年毎に、目標が振り回されたりしないこと、チーム運営基盤の経済的な安定やサポート態勢を確立させ
活動している人々誰もが昏迷することなく自分の専門分野に打ち込めて 切磋琢磨できて 競合し合えることが相互発展に役立つ雰囲気がとても大事です。
今後は既に普及はひと段落した健康太極拳だけでなく
大いに本当の武術の魅力(カンフーブーム)にも関心が持たれている実感があるので、
まだまだ全体的に底上げと向上を図り、世界中の武術界(日本国内の武術界も)には未知数の潜在能力がありますので、
それらの活動と共に連動し合って 我々のスタイルをこれからも守り
10年後、20年後を見据えた日々の有意義な活動をこれからも行っていきたいと思っています。