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綾小路きみまろさんの漫談は本当にすごいと思います。
私も講師として人前で話すのが職業なので とても勉強になります。
きみまろさんのすごいところは、
話しのリズム 間の持ち方 音声の高低強弱 会場の皆さんへの配慮など、パーフェクトに近いと思います。
話しの内容には、人によっては敬遠される方もあるかも知れませんが、
実はこれは人々の多くが持つ「マイナス面」をいかに楽しく捉えて、
笑いに変換することで、後になって「気をつけなきゃな」という「プラス面」にしていくメッセージになっています。
ここがすごい、と思うのです。
本来なら聞きたくないようなこと、嫌なこと、というのは人間は誰でもありますし、持っているものだと思います。
それを、そのままにして厄介ごとのままにすると「気兼ね」や「気掛かり」が増し、
かえって自分を責めてしまったり、思わず人に当たってしまったりすることになったりします。
そこへ勇気を挙げて「悪意なく」様々なテーマで取り上げ、
前向きに向かい合って、視点の角度を変え、見かたや感じ方を改められることができれば、
人はそれを素直に「善意」で受け止められるようになると思うのです。
そうなると人の真心は強くなれるのだと思います。
本当の「お笑い」の芸の真髄は、落語もそうですが、
人間の持つヒューマンシップに基づいたユーモアにあるのだと思います。
海外でもユダヤ人の粋なジョークなどは、辛さや悲しみをも笑いに変え、
人の持つ秘めたエネルギーとパワーを自分の中から引き出せることもあります。
そこには厳しい現実から眼をそらさずに見据え、思考し
ひらめきからくる自己再発見と自己実現、人へのやさしい励ましといたわりが根底にあるのがわかります。
最近の芸人さんたちの多くは人を見下したり罵ったり、叩いたりすることで、
意表をついた笑いをとる方法として、奇声を発したり無意味な動作や行動をとるようなものが多いように感じます。
こういったものでは本当に「心」は楽しくなれません。むしろ荒んでいく傾向があります。
きみまろさんのようにはなかなか出来ませんが、
様々な分野での多くの先輩方の楽しい話をいっぱい聞いて、自分も勉強して頑張っていきたいと思っています。
「笑う門には福来る」というのは真実ですね。
日々の様々なところから、心から楽しくなれる笑い、を大事にしていきたいと思います。