世間では、よく安易に「難しい!」と少しさじを投げかけそうな人をみかけます。
これは、その人のせいでなく、置かれた環境のせい、だといえると思います。
最近はあちらこちらで「リーダーシップ」の研究が進んできたことで、
以前より少なくなった印象がありますが、
基本的に「難しく」見えることは、少し複雑に入り組んでいるだけなので、
落ち着いてひもといてみれば、さほど難解なものは、
ほんのわずかなものばかりであることが解ります。
(分野においては、それが得意で信頼における人に託すのが一番です)
物事はよくよく見れば「難しい」できごとは、そんなに多くありません。
ですから、やや拒絶した心地の眼でみてしまう習慣さえ改めれば、
それぞれに、見る眼が養われると思います。
チームのメンバーの見る眼を養えば、どんなことでも、
かなりのパフォーマンスは上がることと思います。
見抜く力が、「やり遂げる力」に変わる時、大きな力を発揮することでしょう。
良い仕事と、そうでない仕事の違いはここにあると感じます。
それに時々「難しくみえること」を「より解りにくく」する人がいますが、
思えば、そういう人はただ「解っていないだけの人」というのも判ります。
こういう影響を受けやすいと、人はいつも物事を「難しい」と思ってしまうようです。
本来、人間は試練を乗り越えて得る「達成感」の素晴らしさを知っていると思います。
トップに立つ人は、
常に「達成感」をより多くの皆さんに伝える仕事もしなければいけない、
そんな役目を引き受けなければいけない、と思うのです。
上を目指す人は、必ず上に向かって進歩していきます。
物事の本質として、上を目指せば、目指すほど、
土台となるべき下への意識をも高めなければならないと思います。
これは武術の基本と一緒です。
人の多くが、あまり眼を向けないようなところの努力が大事です。
大自然の法則は、
大きな樹は根がしっかりしています。
大きな山は裾野が大きいからこそ、高い山になります。
樹は一日にして大きくならず、
山も一日にして大きくならず、
その努力や進歩を「難しい」とは言わないものだと思うのです。