しろがねの葉


千早 茜




夜目が利く童だと、事あるごとに言われていた。


ウメは貧しさから夜逃げした両親とはぐれて、石見銀山にたどり着き喜兵衛という山師に拾われる


蛇の寝ござというシダが銀の在処を教えてくれる

ウメは間歩になりたいというが、そこは男の世界


そして銀堀は病にかかり血を吐き死ぬ者が多い


どこまでも暗くて深い闇の洞、希望は見えない世界だが銀を掘り当てると一変する


山師の喜兵衛は山のことなら何でも知っている

ウメは喜兵衛に憧れ慕う


小さいウメは男達と同じように働くが初潮を迎えて間歩を離れる


暗い闇の世界でも、そこでしか生きられない人々

夫が血を吐き、悶え苦しみ亡くなっても、その妻達はそこを離れる事はない


繰り返し訪れる

愛する者との別れ。

それでも彼女は

運命に抗い続ける。


ウメ達の生きる闇にいつしか惹きつけられる

暗い世界が銀の灯りで光輝くように

銀にのめり込む男達と同じように読者を惹きつける


最初あまりにも辛い話で、後退りしそうだったが、読後は清々しい光が見えた