輝山 澤田瞳子
2021年9月発行
東京が江戸と呼ばれていた頃
石見銀山では銀の採掘に堀子達は命をかけて勤しんでいた
上役から石見銀山の代官の様子を探る命を受け、下っ端の金吾が江戸から石見銀山に来た
だが、金吾はその目的に疑問を持つ
過酷な石見銀山の堀子は、40歳にならずに亡くなってしまう
「死」と言う事がそこでは当たり前になっている
短い人生を生活の為に自分の命と引き換えにする
遅かれ早かれいずれ誰も亡くなるが
ここでは人の命より銀の方が重い
そして「死」は日常茶飯事となる
貧しい生活が続くこの場所でも、男達は飯屋で酒を飲み、人情味あふれた人達がいる
金吾はそんな人達と触れ合いながら、更に上役から課せられ役に疑問を持つ
上役にも善と悪があり、自分の利益しか考えない人
いつの時代もどこにも居てる
この過酷な石見銀山の仕事はいつしか無くなり、今はその跡地しかない
大勢の方々の犠牲で今日の私達がいる
私達はその人々から貰った命だと思わずにいられない
石見銀山のお山には、人々の願いや思いが込められている
訪れた事はないので前々から一度は行ってみたいと思っていたけれど、本書を読んで辛くて行けない
観光気分で浮かれた気で軽々しく行けない
でも、知る事は大事なので
時間があれば石見銀山のお山に手を合わせに行きたい