黄色い家


川上 未映子




人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか


2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。

60歳になった彼女は、若い女性の監禁、傷害の罪に問われていた。

長らく忘却していた20年前の記憶…

黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。

まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは…



いきなり"黄美子さん"の文字があらわれ、どんな悪どい人かと先入観を持って読み始めた


本書の主人公、花

スナック勤めの母親と2人暮らしの花 

高校中退、学歴中卒の花


花は芯は強くしっかり者


ただ真っ当に稼ぐすべを持たない

いつしか、闇の世界に…


黄美子さんは花に優しかった



若いときはいいよ。でもいきてたらみんな年とるからね。年とってみるまで年とるってどういうことか、わからなかったわ。一生懸命やってきたけど、何も残ってねぇ


小料理のおかみの言葉が心に残る

当たり前のことだけど、自分がその立場にならないとわからない

また年とった人間は自分を通して、自分が若い頃こうだったとか、ああだったとか若い人をそれに当てはめようとするけれど、今の時代全く当てはまらない



生きていくにはこれしかない、これ以外になかったと

正しくはないけど、でも間違ってるわけじゃない


と、闇の世界に入っていく彼女


偽造カードを使って詐欺まがいの事をして、悪いこと

とわかっていながらも金を貯める事に励む


でも花は、本当はお金が欲しいからとか貯める為にそれをしていなかった


一生懸命貯めたお金を母の知り合いに取られたり、またはある時泣きついてきた母に渡したり

その度に花の心は地の果てにドンドコに落ち込む


悪い道は進み始めたら止まらない、が、、、


同年代の彼女たちとのかかわり、黄美子さんとのかかわり、花自身も変わっていく


帯にノンストップ・ノワール小説!