同志少女よ、敵を撃て

逢坂冬馬




昨年娘がこの本を買ってきて、あまりも重い題名に躊躇し、暫く見なかった事にしてました。


すると、タイムリーに今年の本屋大賞となり

これは読まねばならぬ煽りあせる

重い内容に大苦戦しながら、やっとやっと読破あせる


本屋大賞受賞で初めて逢坂冬馬さんを拝見し

彼から発する言葉がとても重く、心にささりました。


本当は戦争が大嫌いで、戦争をなくす為に書かれた事


たまたまタイムリーになってしまった事に大恐縮。


若い作家さんでデビュー作。



内容は

1942年独ソ激戦の中、農村に暮らす少女セラフィマの目の前で、村人や母親がドイツ兵に惨殺される。

赤軍の女性兵士イリーナに救われる。

「戦いたいか、死にたいか」

そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意。




タイムリー過ぎて、今現実に戦争が起こってるし

繰り返される残逆な歴史


戦争は人を悪魔に変える


戦争は家、家族、自然、人の幸せを奪う


戦争は人々の町を瓦礫にし、色を奪う



この本のラスト120ページ、それまで溜めていたものが一気に爆発するから素晴らしい。

アクションの緊度、迫力、構成のうまさは只事ではない。

と、書評家、北上次郎は言う。



最後の最後まで計算された作品です。


映画のような場面が目に浮かびます。というか、これが映画や小説の中だけの世界であって欲しかったと思うばかり…