非色(ひしょく)


有吉佐和子




今また何故に有吉佐和子なのか?

先日NHKニュースでこの"非色"が読まれているらしい


有吉佐和子は随分昔に読んだことがあるなぁ

だけどその時の私には内容が高度過ぎて、難しく…

そしてこの本はまだ読んだ事がなかった。


随分昔に書かれた本だけど、古さは感じなく、読み終えてさらに"有吉佐和子"の凄さ大作家である事を改めて確認した。


時代は終戦直後黒人兵と結婚し、幼子を連れニューヨークに渡った笑子だが、待っていたのは貧民街ハアレムでの半地下生活だった。

人種差別と偏見にあいながらも、「差別とは何か?」を問い続け、逞しく生き方を模索する。


話の筋は背表紙に書かれている


この本を読んでいると、マーガレット.ミッチェルの

あの"風と共に去りぬ"のヴィヴィアンリーの逞しさと似通ったものを感じる


この主人公"笑子"はとても逞しい飛び出すハート

明るいし常に前向き飛び出すハート


暗い話でも彼女の逞しさに救われる


終戦直後敗戦国となった日本🇯🇵

戦後の日本を著実に書かれ、雇ってくれるところは進駐軍関係の仕事しかなかった事。

笑子は英語が出来ないのにキャバレーのクロークにつく。

そこで黒人兵トムと出会い結婚。


彼女が産んだ子は黒かった。

日本ではその子を連れ歩くと周りの人々に驚異の目で見られる。

実の母親でさえ避けられる。


トムに帰国命令が出てニューヨークに帰国

笑子は"戦争花嫁(ウォー.ブライド)と呼ばれ、トムの

待つニューヨークに子供を連れ行く。


東京編、ニューヨーク編

彼女の逞しさに釘付けになった目がハート


どんな境遇になっても一本筋が通ってて、少し醒めたところのある頭のいい笑子。

そして妙な反骨精神の持ち主。



ニューヨークに渡っても生活はドンドコ。

彼女は必死に働く。


移民の国であるアメリカ社会の複雑に絡み合った人種差別。


差別の構造


カラーを持った人種、差別に繋がる事も一つだが

この国では移民の国である。


人種の階級があるのだ。


日本人から見ると、白人であれば国が何処だろうと横一例な感覚でどの国が上か下かなんて考え無いと思う


この頃移民の国アメリカでは、白人社会でも階級がある

アメリカに住むイタリア人、アイルランド系、黒人、そしてプエルトリコ人。


人が人の階級をつける。

そこで生まれた者は必然的に決まるのである。


読み終え私は興奮さめやらぬ泣き笑い


機会ががあればぜひ読んで下さいびっくりマーク