十の輪をくぐる


辻堂 ゆめ




2020.12.1発行



認知症を患う80歳の母、万津子

その息子泰介は妻とバレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘とともに暮らしている

あるとき、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は…東洋の魔女」「泰介には、秘密」と呟いた

泰介は、九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づく。



母、万津子の過去

それは幸せな結婚生活ではなかった

夫からの酷い暴力、生活費は入れない毎晩飲み歩く

実家に助けを求めて帰ると、実母からは「お前が悪い」と言われる

現在だと、即離婚よ

その上、2歳の息子泰介は落ち着きがなく、他の子に暴力をふるう、今では発達障害と言われるが、昭和時代当時は母親万津子のせいにされ

若くて結婚した母親の育て方が悪いと責められる


なんなんだ、実母も酷すぎる


そんなにも苦労して育てた泰介は母親の過去を知らない

泰介にとって、万津子は生まれ時から母であり

東京に出て母以外に、周りに知っている人はいかった


そう言えば私自身も親の若い頃の事よく知らない

その当時は、親の若い頃なんて興味がなかった

昔はああだこうだ、昔は良かったとか、しまいには自慢話とかになり、もういいやとなる

が…

両親二人見送って、今更だけど、、

親の若い頃の事をもっと聞いておけばよかったと、

後悔…

それは、私が歳を取ったせいでもある

一人の人間として、どんな人生を過ごしてきたか

身近な親の人生を、もっと詳しく聞いておけばよかった


そして今は、私の立場となって、子供達に自分の若い頃を話せるかと言えば、これは照れくさくて言えないわ


話せる内容もないなあ


そんなもんかもね