Tさんは 父の昔の会社の部下だったらしく父を専務と呼んでいた。
社内恋愛で結婚したらしくずっと家族ぐるみで付き合っていた。
弟が生まれたときその夫婦とほか数人友人があつまり 弟の誕生を祝い
5月人形を持ってきてくれた。
近所に住んでおり奥さんは自宅で化粧品を売る仕事をしていた。
弟がうまれてそんなに違わずそこに長男が生まれた。
その時期だと思うが Tさんの近所の広場でお月見会をやった。
丸太を椅子がわりに べつに対したイベントでもないけど
子供は夜外にでるなんて普段はないから とても楽しかった。
お月見というくらいだから満月だったんだろう。
照明もないのに明るかったのを覚えている。
Tさんの長男は変わっていた。私達が呼びかけてもまったく反応しない。
でも彼の母親が言うとちゃんと反応するから聞こえないわけではない。
私は会うたびに一生懸命話しかけたが一切スルー
母は彼は自閉症だと言った。
子供であった私はその詳細を知ることはなく、というか当時は大人も
心理的な問題だと認識する人が大多数だったと思う。
ちょっと大きくなりTさんちに用事があり電話しても、彼が取ると無言で
こちらが察し お母さんにかわって~と言う感じ。
今思えば対応しないのになんで受話器取るんだ?とも思うけど。
それから数年後そこんちに妹が生まれ 活発でよくお話する子だった。
私は早くに(19歳)親元を出たからそのあとはわからなかったが
だいぶたってから Tさんはクリーニング屋を開業し長男も免許を取り手伝っていると聞き やはり知的障害ではなかったんだな と思った。
このTさんは 私が
親元を離れた数十年 だいぶ両親の力になってくれていて
ずっと後から思い知ることになる。