生前退位論 | 徒然草~思い付いたことの掃き溜め~
今上陛下が御退位なさる御意向をお示しになられたとかならないとか。


まあ、あっちこっちの外国に御外遊に行っていただいて、国内の行事でも数々ご出席いただく


それが内閣の承認の元で行われる天皇の仕事


「国事行為」なんですけども


さすがに80過ぎの言ってしまえば御老人に


そんなことこれから先もさせるかっていうと


ちょっと厳しいですよね


うちのお祖父様が今上陛下の一歳歳上なんですけど


今上陛下と同じことさせられるかっていうと


絶対無理だと思います


でもね


歴史を振り返ると


「皇威」の薄らぎは国情の不穏を意味してきました


蘇我氏の政治然り、藤原氏然り、院政然り


天皇は天皇として敬意を浴びねばなりません


だから国民統合の象徴と言えるのではないしょうか


仮に今上陛下が御退位なさったら


身分は太上天皇


つまり上皇になるわけですけど


そうすると偉いのは天皇と上皇のどっち?という話になってしまいます


今上陛下で28年間慣れている分


現皇太子の新天皇陛下に向けられる目は冷たいでしょうし


大きなプレッシャーをお受けになられるのではないでしょうかね


難しい問題ですよね


ご老体にご無理させたくはないけれど


でも生前退位なさると皇威の低下につながる


んー、、、、


と、言うときに


「皇位」は誰のものか考える必要があります


戦前は皇位は天皇陛下その人のものでした


その人のものなのですからその人がどうしようかはその人の勝手ですよ


息子に譲るのも自由でした


天皇というものは人ではなくある種のポジションだったわけです


しかし


現行憲法下では天皇は国民統合の象徴であり


権力もなにも伴わない


ある種の国民たちの尊敬の念でのみ成り立つ存在です


尊敬って自発的なもので


他から強制されるものではないのだから


日本国民の多くは少なからず今上陛下を人として尊敬しています


つまり現在天皇と言うのはポジションではなく人なんですよね


そして皇位も天皇その人が自由にできるものではない


法律に定義された人なんですよね


そうであるならば


今上陛下が譲位を判断するのは


ある意味間違いなのかもしれません


天皇は即位と同時に崩御なさる瞬間まで


天皇として生きなければならないのですよ


お辛いご身分でいらっしゃいますけどね、、、