①~
タクシーで向かったのはショッピングセンター…チョコ売り場でいろいろなチョコを見る。
その後もこの日は一緒。
撮影が延期になったからって夜まで一緒。
スペイン王室ご用達の高級チョコレートショップ、スペイン料理店…
ジヒョク君に連れられて来たレストランの肩書きを見て驚いてしまう。
チョコレートを使った料理を食べさせてくれるらしい…
甘くないのもあるらしい…
ガラス張りの窓から見える教会
外壁に絡まるツタ
テーブルではキャンドルの灯が揺れる…
やがて運ばれて来た料理に驚いて歓声を上げると、ジヒョク君はうれしそうな顔をした。
「ああやっぱり連れて来てよかった」
さあ食べてみてと、この店のおすすめメニュー…牛ほほ肉の赤ワインとチョコレート煮込みを私の前に置いて。
食べさせてあげようか~なんて。
そこまで言うから嘘か本気かわからなくなるのに…
「…うん‼︎お~いしいっ‼︎‼︎」
半信半疑。目を瞑る勢いで覚悟を決めて口に運ぶと経験したことのない芳醇な香りが口いっぱいに広がった。
正真正銘ギニア産のカカオサンパカのチョコレート…
チョコレートの奥深さにすっかり感心してしまう。
「チョコもらいたくてチョコ攻めにしようとしたんだけどね。もうなんでもよくなったよ。葉子ちゃんがおいしいって喜んでくれて僕も幸せ…」
幸せなチョコ攻めはおいしく続いて
あっという間に最後のデザート…
オレンジピールの入ったガトーケーキは焼きたてで温かかった。
たくさんチョコをもらえても手作りで…しかも出来たてのものはもらえないかも。
ジヒョク君の喜んでくれるようなとびきりおいしいチョコレートスイーツを作ってあげたい…
今日の私のように今度はジヒョク君が幸せになってくれればそれでいい…
私の想いは成就しなくても
ジヒョク君がおいしいって思ってくれたらそれでいい。
チョコレート料理の魔力ですっかりやる気の私…
よし‼︎
小さく呟く。
「えっ?何か言った?」
そう言うと同時に、ジヒョク君の手が私にスッと伸びて来て…
…チョコが付いてたみたい。
サッと指で拭ってニッコリ微笑む。
ああ…
すっかりあなたにメロメロです。
③に続く
今日の寝る前の一曲は
♪「Romanse」
ジヒョクのやさしい歌声が好き