今日は父の日、そしてALSの日。

最近やっと言えるようになりましたが、実は、私の父はALSでした。


ALSとは
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/筋萎縮性側索硬化症


少しずつ運動神経細胞が侵されて、筋肉が動かなくなり、自分の身体の中に
ロックオンされてしまう。
なのに、意識だけは残る過酷な病気。
未だに治療法は見つからない。


10万人にひとり、などと言われていますが、本当かな。
私の近くにもこの病気で苦しむ家族を持つ方が数名いますので、実際はもっともっと
多いと思っています。
突然発症する原因不明の病気。難病。



私にとっての3.11は
病室で揺れるベッドとはずれそうな人工呼吸器を必死で押さえ、目を見開いて不安そうに
する父に、お父さん、絶対大丈夫だよ、と、余裕の素振りで声をかけていた記憶。
停電になり、病院の自家発電がもちますようにと、祈り続けた記憶。

その3日後に父は旅立ちました。


病気ひとつした事がなく、じっとしていられない活動的な父の、ALSと家族と共に
過ごした晩年の過酷な2年間。


なんで、こんな事になっちゃったのかな…

身体がまったく動かなくなってから、何を思っていたのかな…
どう考えて折り合いをつけて過ごしたのかな。
好きでよく読んでいた仏教、よくあげていたお経が(無宗教ですが)何かの支えに
なっていたらいいのだけど。

もし逢えたなら、それを聞きたい。

そして、思いをうまく汲み取ってあげられなくて、とんでもなく辛い思いをさせて
ごめんね、と謝りたい。
でもきっと、やめろと、怒られるだろうな。。



まだ私自身も未だに傷が癒えていなかったり、
いろいろ考え過ぎて自分の事を話すのが苦手な為、いつもうまく伝える事が出来ず、
また傷つき、の繰り返しだったりで。
近くで見てきた夫から、自分の心も守るように言われてきたのですが、でも、
もうそろそろこの経験が同じ苦しみを味わっている方々の役に立てれば…と思える
ようになってきました。

メンタル的な事ももちろん、実際にコミュニケーションを取る為に作った透明の
文字ボード(眼の動きで本人の意志を読み取る為のもの)やら、使ったものやら、
対病院の事やら、諸々シェア出来る事もあるかもしれない。



リアリティは当事者でないと感じられないもの。


もちろん、ALSだけが難病、病気ではありません。
昨年夏に起こったアイスバケツの時にいろいろな意見がありましたが、
大事なのは患者さんやそのご家族の辛い思いを軽減する事であって、
難病同士が足を引っぱり合うことではないのだと思います。


アイスバケツのムーブメントは、私個人としてはいいな、と思いました。
ああいうキャッチーな形が突破口になるんだな、と。
これまで、多くの無理解に孤独を感じ、悲しい思いをしてきた当事者、家族で
あった我々は、世の中に理解してもらえた事で気持ちが少し救われたのです。


悲しいけど、『辛い』『助けて』だけでは 伝わらないことがあるようです。


一度持ってもらった興味も、日々薄れてゆくもの。

だからALSの日と父の日が重なった今日、これを書きとめておきます。


そして、世の中にALSの認知度を広めてくれた広告プランナーのヒロさん。
彼もALSで闘っています。 
心からの応援と、感謝を。

http://blog.honeyee.com/hfujita/

https://www.facebook.com/endalswithhiro?fref=ts


そして、父の死により、自分の最期も常にリアルに考えるようになり、
あんなに辛い思いをした父に恥じない人生を送ろうと決意をしたのに。
ほとんどの悩みは、悩みのうちに入らないと思っていたのに。
たまにテコ入れしないとダメな私。


父の日に。

また誓おうと思います。