(宇宙人) その楽器、吹いてみてくれないか?
そう、宇宙人に言われた少女は、言われるままに笛を構え、吹き始めた。
宇宙人は黙って少女の演奏を聴いていた。
短い曲を吹き終わると、宇宙人はニヤリとほくそ笑んだ。
(少女) なに、その笑い方❗️ 感じ悪(わる)っ❗️
そうとっさに思った少女の思考を見透かしたように、
(宇宙人) うーむ、まことに興味深い調べだね。
と、のたまう宇宙人。
(少女) どーせ、へたっぴいですよーだ❗️
そう言って、あっかんべーすると、
(宇宙人) へた? だれが?
と、とぼける宇宙人。
(少女) わたし以外にいないでしょ❗️
そう言うと、
(宇宙人) わたしは純粋に音を聴いてるだけだがね。
うまいとか、へたというのは、君たちの価値判断のようだが、わたしにはわからないな。
と、うそぶくのだった。
(少女) 宇宙人の感性って、地球人と違うんだわ。
少女はそれに気づき、少しホッとした。
つづく
2024.3.29

