映画『レジェンド&バタフライ』を観た感想を書く。
レジェンドは織田信長のこと。
バタフライは帰蝶、つまり信長の奥方のお濃の方のこと。
お濃の方(以下、濃姫)は斎藤道三の娘で、信長に嫁ぐ前に二人ほど旦那がいたらしいが、映画の中では二人とも道三に滅されたらしい。
政略結婚の道具、スパイとして送り込まれ、旦那のお家の内情をリークしていたらしい。
史実かどうかはさておき。
信長の元に嫁ぐのもそういう設定であるが、その時すでに息子との関係が悪化していた道三は、息子と戦になったら、信長に加勢してもらうことを期待していた、という設定。
(ネタバレだが、まあええやろ笑)
別にストーリーを書きたいわけではない。
この映画に描かれていた信長と濃姫の関係がなかなか興味深かったので、それを書きたい。
以前、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で川口春奈が帰蝶を好演していた。
その際にもブログに書いたが、帰蝶、つまり濃姫は史実にあまり描かれていない謎の存在。
特に最期どうなったかはわからない。
したがい、『麒麟がくる』でも断片的な登場の仕方をしていたように思われる。
歴史に足跡を残していない分、想像をふくらませることができる。
そういう意味で、この映画ではオリジナルな濃姫の姿が描かれており、それを綾瀬はるかが好演していた。
特に強気で信長と対等な姿勢を崩さないあたり、こういう描き方もあるのかと思った。
実際には男尊女卑の時代だから、そういう生き方をするのは困難だっただろうが。
信長は人を殺しすぎ、恨みを買っているので、その魂が浮かばれるには相当の歳月が必要だろう。
まだ地獄のどこかにいるように思われる。
戦国時代に魔王と言われた漢(おとこ)である。
案外、地獄でも魔王になっているやもしれぬ。
濃姫は一途なところがあるように思うので、信長を追いかけて、地獄に落ちたのだろうか?
たぶん、悪女ではなく、信長といううつけに翻弄されただけだろうから、地獄には行かずに、天国で信長の帰りを一途に待っているのではないか。
あの時代に自分が生きていたとしたら、二人に会っていただろうか?
案外、信長の家臣として、びくびくしながら、仕えていたかもしれないな。