これは、いったい…。
呆然とするニニギくんにオオヤマツミから三人の赤子が手渡された。
火のついたように泣きわめく赤子たち。
その小さないのちたちを見て、ニニギくんは胸が熱くなるのを感じた。
これが、我が子、というものか…。
小さな猿にしか見えない我が子が無条件に愛しいと感じるのだった。
よかった…。とにかく、よかった…。
狐につままれたようになりながらも、ほっと安堵するニニギくんだった。
息もたえだえのサクヤヒメはオオヤマツミにお姫様抱っこされて、ニニギくんと赤子たちを微笑ましくながめていた。
お守りいただいて、ありがとうございます、アマテラス様。
そう、心の中で高天原のアマテラスにお礼を言うのだった。
オホン、とオオヤマツミは咳払いすると、
さてさて、皆様がた、大層驚かれたことでしょう。
多少、手荒なところは地上界の流儀と思し召して、お許しくだされ。
これより、種明かしをしてしんぜよう。
と、口上を述べ始めた。
続く