前の話
ニニギくんは御一行様に連れられて、とある水辺まで来た。
さあさ、あの木陰からのぞいてみなされ。
ニニギくんは、ついにリアルでデバガメするのか、とやや躊躇したが、
自分は王になるんだから、なにしたってゆるされるよな?
と自分に言い聞かせて、一歩前に踏み出した。
見ると、水辺で水を汲んでいるうら若き乙女の姿があった。
あ、あの子だ…❣️
リアルに見る姿は美しさがまわりを明るく照らすほどであった。
目がハート型になったニニギくん、ふらふらと木陰から迷い出て、乙女の方へと寄っていくのだった。
おお、若、なかなかやりますな。
御一行様は、ハラハラとことの成り行きを見守るのだった。
乙女は人の気配に驚いて、ニニギくんの方を見た。
そこには、夢で見た凛々しい若者が立っている(ように乙女には見えた)のだった。
恋は、想い人の姿をよく見せる魔法。
つづく
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