前の話
【天孫降臨⁉️ニニギくん⑦】
うら若き乙女の柔肌を遠見のかがみでのぞいてしまったニニギくん。
現代ならセクハラでソッコー逮捕だが、 当時はとても性におおらかな時代。
あまり騒ぎにもならなかったので、 ニニギくんは、ちょいちょい、かがみを取り出しては、デバガメを繰り返しておった。
今でいうと、若者がエロ本を見る感覚だろうか。
のぞかれてる女神の方はたまったものではない。 水浴びするたびに、どこからか殿方の視線を感じるのだから。
女神だけに感性はとても鋭く、隠し通せるものではない。
女神が瞑想すると、デバガメをしてるニニギくんの姿が第三の目に浮かび上がってくるのだった。
あら、これは、うわさのニニギノミコト様ではないかしら。
父上が私のことを妻にと推挙されたと うわさでは聞いていたけれど、 ほんとうに世間になれていない坊ちゃんなのだわ。
女神の名はコノハナサクヤヒメといった。
オオヤマツミの娘の中でも、ずば抜けて美しい女神だったが、火のような激しい性格を持っており、並のオトコではなかなか釣り合わないのだった。
このままでは、行き遅れになるかもしれないわね… 。
自分の性格を持て余していたサクヤヒメだったので、この縁談は、内心、とても嬉しかったのだった。
わたしに釣り合うオトコの方を天が与えたもうたのだわ。
そう思うと、早く会いたい、と、乙女心が萌えるのだった。
つづく