天照大神は天岩戸にお隠れになり、

出てこられなかったので、

八百万の神達は一計を案じ、

アメノウズメの滑稽な舞に神々が

爆笑しているのを気にした天照大神が

その理由を聞いたところ、

新たな神様が降臨されたので喜んでいる

と答えられ、どんな神様か知りたくなり、

岩戸を少し開けたところ、

鏡に写るご自分の姿を見て、

なんて神々しい神様だろうと思い、

もっと見ようとしたところを

最後はタジカラオが岩戸を開け放ち、

天照大神を岩戸の外に引っ張り出した。


私が覚えている古事記の天岩戸開きのシーンです。


古事記は神話という物語であり、そこからどんなメッセージを受け取るかは読み手に委ねられています。


ひとりひとりの心に岩戸があります。

他人から自分の心を守るために

人は自らの心を閉ざしてしまう。

そうしなければならないほど

この世はいきづらい。

ですが、いつかはその心の岩戸を開き、

本来の自分自神を取り戻す必要があります。

それには自分の力だけでは無理なのです。

他者の協力が不可欠になります。


天照大神も八百万の神々の願いと行動がなかったら、天岩戸に引きこもり続けていたかもしれません。

もしそうなっていたら、古事記のその後のストーリーは大きく変わっていたことでしょう。

だが、そうはならなかった。

八百万の神々が助けてくれて、天岩戸から出ることができたのです。

天照大神の新生といってもよいくらいの奇蹟が起こったのでした。


心の天岩戸を開くには、まわりの人たち、

ご縁ある人たちの協力が必要です。

自分が神々しいものであると天照大神が鏡を見て悟ったように。

自分に内在する神性に気づくきっかけを与えられること。

それがかなったならば、あとは本人が自分で扉を開き始めることでしょう。


よっくる