宮崎アニメの代表作、「風の谷のナウシカ」をテレビ放映していたので、久しぶりに観た。
ナウシカはとても深遠なテーマを内包した作品で、自分の中での評価は他の宮崎アニメと比較しても高いが、おいそれとは観られない作品でもある。
学生時代に劇場に何度も足を運んだ、なつかしいアニメ映画だ。
ナウシカも劇中、繰り返し自然との共生を訴えている。
今の時代にも通じるメッセージ。
ナウシカの生きる時代は核戦争後の世界で、汚染された地上を腐海が浄化しているが、浄化の際に発生する瘴気が猛毒で、人々は腐海を避けて暮らしている。
世界を破滅させてもなお、人々は残された少ない土地を奪い合う、戦争を放棄していない世界。
そうした末世の中で、希望の光をともす生き方をみなに提示しているのがナウシカだ。
風を読み、風に乗って空を自由にかけめぐるその雄姿。
腐海に出かけ、観察し、腐海の謎を研究するリケジョのようなところ。
腐海の謎を知るも、それをうまく説明できず、身体をはって大切なものを守ろうとする、無鉄砲で、誰よりもやさしいところ。
こんな人、実際にはなかなかいないと思っていたが、マララさんなどは、ナウシカに似たところがあるかもしれない。
ラストでナウシカを復活させたことで、宗教映画のように思われる面も確かにあるが、人間が生きる道を問う映画だと思う。
これほど戦わないヒロインも珍しい?
ナウシカは平和を愛し、戦争や暴力を嫌う。
女性はみなそうかもしれない。
ナウシカを助けたのはペジテの女性たちだ。
男は戦う。
力で力を克服しようとする。
武器や巨神兵、最後にはオームの力すら破壊に使おうとする。
魚座の時代は男たちの時代、まさに戦争の時代だった。
武器、軍備拡張、核兵器開発競争、化学兵器など、キリがない。
新型の武器が時代を切り開くのに役立つ局面もあった。
明治維新を成し遂げたのは、維新の志士の志と、アメリカの南北戦争後に大量に残った銃の在庫だったと言われる。
古くは織田信長が天下を取れたのも南蛮渡来の銃のおかげでもある。
製鉄の文化が鉄製の武器となり、武力支配社会を生み出したとも言われる。
魚座の時代は武器とともに進化してきた、まさしく男性原理の世界。
今は魚座の時代は終わり、水瓶座の時代が始まっている。
ナウシカのような女性原理が、男性原理により傷ついた社会を癒す過程が始まっている。
ナウシカは水瓶座の時代の水先案内人でもあったようである。
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拙著の中で、自然との共生をテーマにした物語といえば、これ!
『エルフの竪琴』
よっくる