アースダイバーみと
第八話
初めてアースダイブしたときの衝撃を私は忘れないだろう。
今まで経験したことのない世界を全身で感じた。
自分の脳内に投射されている映像は、とてもリアルで、それでいて幻想的だった。
リアル・ファンタジーな世界。
それが、私にとってのアースダイブ空間だった。
ヘルメットを装着し、ベッドに横たわる。
目を閉じて、スイッチを入れると、音楽が流れて、自分の脳裏に光が明滅するのを感じた。
ひたいが熱くなり、第三の眼が開くような感じ。
漫画みたいな話だが、そう感じるのだから、仕方がない。
ひたいの眼に映るのは、雪を頂いた山並み。
アルプス?
どこかで見た風景だけど、思い出せない。
空を大きな鳥が飛び回っている。
こんな鳥、日本にいたっけ。
まあ、この空間が日本とは限らないんだけどさ。
私は空を飛んでみたいと思った。
そしたら…
次の瞬間、私は空を飛ぶ翼竜の背中に乗っていた。
大きな鳥だと思ったのは翼竜だったのだ。
翼竜の背中から下を見下ろすと、大湿原が見えた。
不思議と怖さは感じなかった。
ま、夢みたいなもんだものね。
私は一人で納得しながら、空の旅を楽しんだ。
第八話 終わり