アースダイバーみと
第四話

さて、次は、アースダイブ空間の説明をするわね。
この空間は、バーチャルリアリティでできていて、専用装置を頭に装着すれば、アクセスできるんだけど、わかりやすく言えば、体はシートの上に横になっていて、自分の頭の中に構築される空間を複数のメンバーでシェアするというものなの。
もともとはインターネットにある仮想空間みたいなものだったのが、技術の発展とともにだんだん立体化してきたってわけ。
二次元から三次元に進化するような感じかな。
インターネットの文字で織りなす空間は二次元だけど、バーチャルリアリティ空間はネットワークの三次元てわけ。

この世界ではすべての言語は共通の言語に翻訳されて、脳内に伝達されるの。
それをテレパシーって呼んでるんだけど、私たちの頭の中は自分の国の言葉で、相手に伝える時に自動翻訳されるみたいな。
だから、外国の人とも、コミュニケーションできるし、動物とだって理論的にはコミュニケーションできる、らしい。
らしいっていうのは、動物に装置をつけて実験した人がまだいないってこと。
動物ともコミュニケーションできたら、素敵よね。

そんなバーチャルリアリティ空間はたくさんの種類があるんだけど、私たちのいるアースダイブ空間は、アースダイブを目的に作られた空間で、アースダイブしたいって人が参加する決まりになっているの。
まだトライアル段階だから、十二名までに参加者が限定されてるらしいんだけど、いずれ十二名をワンチームにしたパーティと呼ばれるサービスが始まるらしいから、それが始まれば瞬く間に世界中の人が参加すると思うわ。
それくらい、画期的で、楽しくて、かつ使命感のあるテーマなのよ、アースダイブは。

第四話 終わり