【フェニックス】
おおそらをまう
フェニックスよ
おまへはどこからきた?
はい
わたしはあのやまの
いただきより
まいりました
おまへをうみだしたるものは
なんぞや?
わたしは
ちきゅうをちちとし、
ちきゅうをははとし、
うまれました
あのやまのいただきでうまれたわたしは
くもにのり、
かぜにのり、
おおそらへ
ひしょうしました
あのやまのいただきでうまれるまえ、
おまへはいずこにいたのか?
あれ、むづかしいことを
おっしゃる
うまれるまえのことなど、おぼへておるものが
おりましょうや?
いや、
しばらくおまちを。
だんだんに
おもいだしてまいりました
わがきおくはわれにかたる
むかし、このほしに
おおきなおおきなせんそうがあり、
わたしたちは
ひかりとやみにわかれて、
たたかっておりました。
わたしは、そう、ホワイトイーグルでした。
かみのしもべとして、やみにかたんしたとりたちとたたかっておりました。
おおぜいがしに、
わたしもたたかいのなか、
いのちをおとしました。
きずついたわたしをうけいれてくれたのは、まざああーす、ちきゅうのおかあさんです。
おかあさんは、
たたかいにつかれ、
きずついたわたしのたましいを
いやし、いやし、
ふうと
いのちをふきこみました。
わたしは、おきあがり、
とびたちました。
なんじ、そなたは
フェニックスなり。
ふしなるとりとして
さいせいされたのだ。
これよりそなたは、
りんねのくさりからはずれ、
このほしとともにいきよ。
なんじ、そらにまえ。
おおくのたみが
なんじをみあげ、
ゆうきづけられるだろう。
なんじ、そのふしなるちからもて、そらをゆけ。
どこまでも
どこまでも。
そして、おおくのたみに
おんちょうをさずけよ。
とこしへに
とこしへに
はばたいてゆけ。
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